「生きヘタ?」ニュース
■更年期障害は「休息と気晴らしを」 川口レディースクリニックの川口恵子院長に聞きました
1月のテーマは更年期障害による生きづらさです。伊丹市出身の女優南野陽子さん(54)のインタビューを先週、掲載しました。今週は、更年期障害の悩みに寄り添ってきた「川口レディースクリニック」(神戸市灘区)の院長、川口恵子さんに話を聞きました。
-更年期障害とは?
「閉経前後の45~55歳あたりに現れる心身の不調です。のぼせ、動悸、気分の落ち込み、イライラ、不眠、肩こり、頻尿などで、どの症状が強く出るかは人によって違います。さらに、更年期障害になるのは、みんなではないんです。症状がほとんど分からなかったという人もいれば、寝込むほどの人もいます」
-なぜ人によって違う?
「更年期障害には三つの要因があります。女性ホルモンの分泌の乱れ▽気にしやすいなど、もともとの性格や体質▽過去および現在のストレスです。更年期はちょうど、子どもの教育、責任が重い仕事、親の介護、老後の不安…など、一気にストレスがかかってくる過酷な時期。過去の精神的な傷も含め、生きづらさを感じている人の方が症状が強く出ると言えます」
-どうすれば?
「みんな疲れ過ぎ、働き過ぎなんです。患者さんには、休息と気晴らしを、と話しています。映画を見るなり、ショッピングをするなり。気の合った人と、愚痴を言い合って、おいしいものを食べるのもいい。日常生活に支障が出るほどなら、ホルモン補充療法や漢方薬などもあります。1人で抱え込まないことです」
-悩んでいる人へ。
「更年期は永遠に続くことはありません。そして、しんどい時期を越えたら、充実した世界があることも知ってほしいです。年を重ねて失われるものがある一方、育児などが落ち着き、積み重なった経験や知恵による広い視野を持って、仕事や趣味に打ち込める時期がやってきます」(聞き手・中島摩子)
〈相談先紹介〉
◆日本助産師会 子育て・思春期・更年期 女性のあらゆる相談室(無料電話相談) 火曜、10~16時。TEL03・3866・3072
※各市町の健康相談窓口、クリニックなどでも更年期障害に関する相談を受け付けています。