検察側「死ぬ危険把握し加担」 尼崎連続変死
2015/01/27 10:22
尼崎連続変死事件で、角田優太郎被告(28)の裁判員裁判第17回公判が14日、神戸地裁で開かれた。2008年、尼崎市のマンション物置で亡くなったとされる仲島茉莉子さん=死亡時(26)=に対する殺人、監禁罪と、安藤みつゑさん=同(67)=に対する監禁罪の審理が始まった。
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茉莉子さんは優太郎被告の妻、角田瑠衣被告(29)の姉。起訴状などによると、08年7月から監禁され、暴行や絶飲食の虐待を受け、同12月に衰弱死したとされる。安藤さんは角田家の家政婦のような立場で、同11月に監禁され、5日後に死亡したとしている。
検察側は冒頭陳述で、茉莉子さんの衰弱が顕著になってからも虐待を続けたのは、死ぬ危険の高い「殺人行為」に当たると主張。優太郎被告も「死ぬ危険を分かっていて虐待に加担した」とし、2人への監禁罪についても「リビングのモニターで物置内を監視するなどしていた」とした。
弁護側は「茉莉子さんが死ぬ危険は予測できず、虐待はごく一部を認識していただけ。監禁には、いずれも関わっていない」として無罪を主張した。
茉莉子さんの夫、仲島康司被告(45)が証人出廷。検察側の質問に対し、安藤さんが死亡した際の状況を説明し「正座したままの状態で、前のめりになって亡くなっていた。その場にいた茉莉子もやせて顔がどす黒く、このままだと死ぬんじゃないかと思った」と語った。
検察側は、室内で親族らが談笑する窓越しに、正座している茉莉子さんの写真なども提示した。