「姉は行き詰まるしかなかった」 尼崎連続変死一問一答

2015/01/27 10:27

 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の次男角田優太郎被告(28)の裁判員裁判第20回公判が21日、神戸地裁であった。尼崎市のマンションの物置で亡くなった仲島茉莉子さん=死亡時(26)=に対する殺人・監禁事件などの審理があり、妹の角田瑠衣被告(29)が出廷した。 関連ニュース 80歳男性変死、殺人容疑で74歳妻を逮捕 神戸・西区 介護に悩み、首を絞めたか 神戸・西区の男性変死 死因は窒息死 首に強い圧力かけられた可能性 宝塚の商業施設で女性変死 個室トイレで従業員が発見

 優太郎被告の弁護人と瑠衣被告の主なやり取りは次の通り。
 -茉莉子さんは夫の仲島康司被告と2008年6月に沖縄に逃亡したが、連れ戻され、物置に閉じ込められた。9月ごろ、康司被告だけ美代子元被告に許された。なぜ。
 「美代子が康司をリビングに呼んで、康司に対して忠誠を誓わせるようなことを聞きました。『死んだつもりになれるか』とか『茉莉ちゃん(茉莉子さん)殺せ言うたら殺せるか』とか。康司は『絶対できます』と返事した。康司も本気で言ってたし、美代子もそれを受け止めたから、許したんだと思います」
 -茉莉子さんの方は。
 「姉も同じようなことを言いましたが、美代子は『うそやろ』『かまととぶって』とか言って取り上げなかった。悪いように、悪いようにとらえようとしてるというか。姉の場合、『死ぬ』と言っても『今だけええこと言っても通じへんで』と言われ、殴られる。それで『ちょっと言ってみただけです』『死ぬ気になれません』とか言っても怒られる」
 -茉莉子さんは、本気で覚悟を示せなかったのでは。
 「私も『殴られても、言い通したらいいのに』と思いました。ただ、(サンダルで顔を突くなど)美代子の暴力がものすごく痛そうで、『これだけされたら言い通せへんな』とも思いました。姉は結局、行き詰まるしかないような扱い方をされていた。姉がどれだけ言っても、美代子がその気になってないから、揚げ足を取られて話が進まない」
 -茉莉子さんが元被告に対して言った言葉で覚えているのは。
 「『私は生きてる価値がないと思います。死んだらいい人間と思います』と。ただ『よう死ねません』とも言っていたし、美代子にきつく言われた時は『出て行った時の生活の方が今でも楽しいと思ってます』『今でもおしゃれしたいと思ってます』とも言っていました」

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