「久芳さん死後にぜいたくをした」 優太郎被告の妻と兄証言

2015/01/27 11:34

 尼崎連続変死事件で、殺人などの罪に問われた角田優太郎被告(27)の裁判員裁判の第5回公判が27日、神戸地裁であった。2005年7月に沖縄の景勝地「万座毛(まんざもう)」で転落死した角田久芳さん=当時(51)=事件の審理で、優太郎被告の妻瑠衣被告(29)と兄健太郎被告(32)が検察側証人で出廷した。

 瑠衣被告は、記念撮影中の事故を装った転落時の状況を説明。崖を背に親族7人が並んだが、崖の際に立った久芳さんは飛び降りをためらったという。
 前列でしゃがんでいた瑠衣被告は「これ以上(撮影を)続けると怪しまれると思った。後ろで『はよせな、はよせな』という小さな声が聞こえた後、『落ちた』と叫ぶ声がした」と証言。検察官から死亡保険金について聞かれると「久芳さんが亡くなった後は旅行や外食などすごいぜいたくをした」と述べた。
 続いて証言した健太郎被告はもともと角田美代子元被告=自殺当時(64)=の遠縁で、1999年に養子縁組。実の家族や親戚は、元被告の虐待で「みんな逃げた」という。
 久芳さんが死ぬ約1年前、優太郎被告と一緒に元被告に呼ばれ「お金が苦しい。お金が無くなったら死ねるか」と聞かれたという。元被告は続いて久芳さんを呼び出し「金残して逝ってくれるか」と質問。久芳さんは「はい」と答えたという。

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