初代さん「毎日殴られていた」 瑠衣被告が虐待を証言

2015/01/27 12:35

 尼崎連続変死事件で、角田優太郎被告(27)に対する裁判員裁判の第11回公判が12日、神戸地裁であった。2007年、逃亡先の和歌山から尼崎へ連れ去られたとされる皆吉初代さん=死亡当時(59)=への加害目的略取罪について、初代さんの次女、角田瑠衣被告(29)が証人出廷。03年に高松市の自宅で初代さんが受けた虐待の詳細を述べた。

 初代さんは、おいの李正則被告(40)を角田美代子元被告=自殺当時(64)=から預かったが、暴れて手に負えなくなり、元被告に連絡。元被告はこれに乗じて03年2月、初代さん宅に乗り込んだ。
 瑠衣被告によると、元被告は親戚を集めて連日の家族会議を強要し、「お前ら身内に甘いな」と初代さんを暴行するよう仕向けたという。「母親は自宅を逃げ出す8月まで、ほぼ毎日殴られていた」と証言した。
 元被告は「何でそんな気取れるんや。鏡で体形よう見てみい」と初代さんを裸で生活させ、公園で踊らせたこともあったという。瑠衣被告は、絶飲食の虐待で「母親はガリガリにやせ、あばらや背骨が浮いていた」とした。夫の優太郎被告も、バーナーの火を近づけられて悲鳴を上げる初代さんのまねをしていたといい、「暴行や虐待を知らなかったはずはない」とした。

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