尼崎連続変死公判 康司被告「角田家の一員自覚」

2015/03/19 22:27

 「角田家の一員としての自覚に基づき、行動していた」-。尼崎連続変死事件で19日、懲役15年が言い渡された仲島康司被告(45)。角田美代子元被告=自殺時(64)=から自身も虐待を受けながら、妻茉莉子さん=死亡時(26)=を死なせたとする判決に、身じろぎもせず聴き入った。 関連ニュース 80歳男性変死、殺人容疑で74歳妻を逮捕 神戸・西区 介護に悩み、首を絞めたか 神戸・西区の男性変死 死因は窒息死 首に強い圧力かけられた可能性 宝塚の商業施設で女性変死 個室トイレで従業員が発見

 康司被告は黒のセーターに青いデニム姿で入廷。やや落ち着かない様子で、証言台の前に立った。
 「僕に美代子と闘う勇気があれば、ここまで多くの人が亡くなることはなかった」
 公判でそう謝罪した康司被告。殺害された橋本次郎さん=同(53)=を通じて美代子元被告と知り合い、「角田家」の集団生活に。茉莉子さんと結婚し、いったんは一緒に逃げたものの、すぐに見つかって連れ戻された。
 弁護側は「恐怖を骨の髄まで植え付けられ、元被告の言いなりだった」と主張。判決でも「従属的」とはされたが、元被告との共謀関係が認められた。
 裁判後、会見に応じた裁判員からは、康司被告の印象について「人は良さそうだが、流されやすいと感じた」との声が出た。50代の男性は「自分の姿勢や意見を出さないまま今日に至っているという印象。何度も逃げる機会はあったのに(角田家に)安住していたのでは」と指摘した。
 裁判員の選任期間は70日間。男性は「公判は週3日入っており、それ以外の2日間で仕事をこなすことがきつかった。長期裁判でも週3日が限界だと思う」と振り返った。

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