尼崎連続変死 「美代子は恐怖で人を支配」健太郎被告の被告人質問
2015/05/14 21:14
尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の養子で長男、健太郎被告(33)ら3被告に対する裁判員裁判第2回公判が14日、神戸地裁で開かれ、総括的な被告人質問があった。健太郎被告と弁護人の主なやりとりは次の通り。
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-高校まではどこに住んでいた。
「京都府八幡市で。実の両親や兄と暮らしていました」
-美代子元被告と初めて会ったのは。
「高校1年の時、学校から家に帰ったら、美代子と三枝子おばさんが家に来ていました」
-(元被告が健太郎被告の一家に対して言いがかりをつけた)親戚の葬式が終わってからしばらく後のこと。
「はい」
-元被告が乗り込んできて、親戚同士で話し合いをさせることが決まった。1カ所で集団生活させられることも。
「西宮のマンションで親戚一同と集団生活していました」
-どんな話し合いをした。
「僕の父の借金問題について『どう返していくねん』とか」
-期間は。
「1カ月くらい」
-どんな雰囲気?
「親戚同士でののしり合い、仕事も行けずに缶詰め状態。皆疲れ切っていた。僕もだんだん親戚や両親が嫌いになりました」
-家族や親戚は最終的にどうなったか。
「僕以外は逃げ出しました」
-逃げ出すまでに、突然暴力を振るうようになった人もいた。
「母です。突然部屋に連れて行かれ、理由なく殴られました。兄も母から殴られたり、耳を引っ張られたり。美代子が横にいて『もっと殴れ』『思い切り引っ張れ』とか言っていました」
-最初にいなくなったのは誰。
「まず父です」
-お母さんとお兄さんもしばらくしていなくなり、他の親戚も皆どこかへ逃げた。
「はい」
-自殺者も出ましたね。
「僕のいとこです。西宮のマンションにいた時」
-理由は。
「親戚中から『お前死ねんのか』と責められていました」
-両親も親戚も逃げていなくなり、どう思った。
「全員から見捨てられたと思いました」
-一族がばらばらになった後、角田家の一員になった。元被告に対して「別のところに行きたい」と言ったことは。
「美代子に『母親の実家の方に行きたい』と言ったことはあります。それまでは僕に対して優しかったのが、激怒して『お前は角田家裏切るのか』と責められました」
-養子縁組で名前も変えられた。理由は。
「美代子に『親からもらった名前を捨てろ』と言われました」
-美代子元被告はどんな人だったか。
「恐怖で人を支配する人でした」
-彼女を怒らせたり意に沿わなかったりした人は。
「虐待の対象になります」