尼崎連続変死 「美代子から離れられなかった」三枝子被告一問一答
2015/07/03 18:36
尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の親族3人に対する裁判員裁判第17回公判が3日、神戸地裁で開かれた。2008年に尼崎市のマンションベランダの物置で亡くなった仲島茉莉子さん=死亡時(26)=や、安藤みつゑさん=同(67)=に対する監禁罪などの審理があり、元被告の義妹、三枝子被告(62)の被告人質問があった。
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検察側との主なやりとりは次の通り。
-元被告がやることに合わせるしかないというのが当時のあなたの立場か。
「はい」
-元被告に合わせることが、犯罪行為にも及んでいる。それでも元被告に反対しない態度を貫いた。
「はい」
-あなたは元被告に忠実だった、信頼も厚かった。「美代子とぴったり一致していて、美代子の求める人物だった」という証言もあった。あなたにその自覚はあった?
「自覚はなかったと思います」
-角田家の人たちが、そういった目で見ていたのも自覚していなかったか。
「そんな目で見てることはなかったと思います」
-あなたが角田家で長年生活していて、楽しいなと感じたことはあったか。
「美代子の機嫌次第で楽しいなと思うことはありました」
-具体的には。
「美代子の機嫌のいい時ももちろんそうなんですけど、若い子らとわいわいやっている時は楽しいと思ったり…」
-角田家で生活している中で、世間に知らせることができない死に方をした人がいた。あなたは「美代子のことが怖い」「殺したい」という気持ちで生活していた一方で、楽しいこともあったと。角田家からあなたが出ないのは、結局は、角田家で楽しんでいた部分を守りたかったからでは。
「楽しさを守るためではないです」
-では何のため。
「ただそこから、美代子から離れられへん、離してもらえへんというのが一番です」
-茉莉子さんを虐待する元被告を止めなかったのは、元被告が怖かったからだけなのか。茉莉子さんに怒りの矛先が向くことで、あなたたちの生活が平和でいられるということはなかったのか。
「美代子が別の事件に関わって、そっちに気が向いている時、『楽だな』と思った。振り返ると、自分では気づかないけど、そういう考えがあったんかなと思います」
-茉莉子さんが逃げている時に、茉莉子さん名義でクレジットカードを作った。元被告からは何のためと聞いた?
「俗に言う、ブラックリストに載せる、と」「逃げた時に、次のカードを作れんようにということでした」
-連れ戻した時には、茉莉子さん名義の携帯電話を作った。この意味は。
「『携帯飛ばし』。支払いをせんといて、逃げた時に、次(の携帯電話を)作れなくなるように」
-安藤さんが亡くなったのを知って「また人が死んだ」とは思わなかったか。
「すいません、どう考えたか、考えていたかどうかも分からないです」
-もう死んでほしくないとは思わなかったのか。
「どうしても思い出せないので、思ってなかったんじゃないかと思います」
-(元被告の養子で長男の)健太郎被告や(次男の)優太郎受刑者に声をかけて、元被告を止めようとはしなかった。
「一度もなかったと思います」
-元被告から信頼の厚いあなたであれば、反旗を翻せばみんながついてくるような立場にあったのではないんですか。
「みんながついてくるとは考えたことがなかったです」