尼崎連続変死 「どう助けるか考えていた」健太郎被告一問一答
2015/07/23 18:51
尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の親族3人の裁判員裁判第24回公判が23日、神戸地裁で開かれた。岡山県の海から遺体で見つかった橋本次郎さん=死亡時(53)=に対する逮捕監禁、殺人、死体遺棄罪の審理があり、元被告の養子で長男の健太郎被告(33)の被告人質問があった。
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検察官との主なやりとりは次の通り。
-あなたたちは深夜に起こされ、次郎さんが角田家の住人と起こしたトラブルについて聞かされた。それ以前に深夜に起こされることはあった?
「あったと思います」
-どういう時?
「『次郎がこんなことした』と。深夜に呼ばれたらろくなことがないなという感覚がありました」
-その夜に、角田家の住人を起こしたのは(元被告の義理の娘)瑠衣被告?
「はい」
-捜査段階では、あなたが起こしたと話していたが。
「ちょっと覚えてないです。ただ捜査段階でそう話しているなら、それが正しいと思います」
-捜査段階では話したことが、あなたの正しい記憶ということでいいのか。
「はい」
-次郎さんを怒る口調はどうだったか。
「叫ぶまではいかないけど、きつい口調でした」
-怒る時のいつもの口調との違いはあったか。
「あまり違いは感じなかったです」
-捜査段階では「いつもと違って静かに言い放ったから怖かった」と話しているが、覚えていない?
「思い出せないです」
-今までに虐待された人で、次郎さんよりも元被告を怒らせた人はいたか。
「(監禁、虐待されて亡くなったとされる仲島)茉莉子さんになると、かなり怒らすことをしているけど、ほかの人に比べたら(次郎さんへの怒りは)大きいと思います」
-茉莉子さんと比べるとどうなのか。
「茉莉子さんは逃げたので、怒り方はひどかったと思います」
-捜査段階であなたは「次郎さんほどヘマをした人はいない」「茉莉子さんよりも大きなヘマをした」と述べていたが、覚えていない?
「覚えていないです」
-物置に入れられた次郎さんはこれまでと同じように許されると思っていた?
「今までよりは長くなるけど、何とかなるんちゃうかとは思ってました」
-捜査段階では「何回(自分が許すように)言っても許してもらえないんじゃないか」「許してもらえないうちに死ぬ危険がかなり高いと思った」と言っていたが。
「覚えていないです」
-どうしてこんなに話すことが変わってるのか。
「変わったとは思っていないんですけど…。これまでとは違うので、なかなか許してもらえないんじゃないかとは思ってました」
-どうやって許してもらおうと考えた?
「何度も言って、許してもらうしかないんじゃないかと」
-捜査段階では「私が努力しても許してもらえないと思いました」と言っていたが、変わった理由は?
「理由はないんですが…」
-あなたは、次郎さんのトラブルが発覚した時に「反省しとけ」と次郎さんを蹴った。その後、物置で反省しているか気にならなかったか。
「言い訳になってしまいますが、監禁すると(李)正則(被告)が責任者になるので、僕ができるのは助ける以外できないので、どうやって助けるかを考えてました」
-瑠衣被告に相談することはしなかった?
「してないです。『健太郎が気にしているようだ』と瑠衣が美代子に言ったら、美代子に怒られると思って言いませんでした」
-先ほど、元被告が深夜に起こすことは今回の事件以前もあったと述べた。
「はい」
-捜査段階では「今まではなかったから重大だと思った」と話していなかったか。
「覚えていないです」
-過去にも深夜に集められることがあったことを捜査段階で話さなかったことに思い当たる理由はあるか。
「ちょっと思い当たりません」