尼崎連続変死公判 検察「久芳さんの精神状態追い込む」
2015/08/27 22:27
尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理のいとこ、李正則被告(41)に対する裁判員裁判第5回公判が27日、神戸地裁で開かれた。2005年7月に沖縄の崖から転落死した角田久芳さん=死亡時(51)=への殺人、詐欺罪について、中間の論告と弁論があった。
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検察側は、車に飛び込んで死ぬ方法を実行できない久芳さんに、被告が正座強制や暴行を加えたなどとし、久芳さんが転落死を承諾したのは「真意ではない」と指摘。継続的な虐待で「崖から飛び降りる以外に選択できない精神状態に追い込んだ」と主張した。
弁護側は、20年以上角田家で生活した久芳さんが「家族のため命を張る」という元被告の価値観を受け入れ、角田家の生活を救うために自殺する覚悟を固めていたと反論。「久芳さんは死ぬのが怖かったのではなく、車に飛び込む方法を恐れていた」と主張し、被告は飛び降りに同行しただけで、自殺関与罪が適当とした。