尼崎連続変死 「李被告も責め立てた」瑠衣被告一問一答
2015/08/20 23:33
尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理のいとこ、李正則被告(41)の裁判員裁判第2回公判が20日、神戸地裁であった。2005年7月に沖縄の崖で転落死した角田久芳さん=死亡時(51)=の事件で、角田瑠衣被告(30)の証人尋問があった。
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検察官との主なやりとりは次の通り。
-久芳さんはなぜ飛び降りることになった。
「角田家の全員で死んでもらうようお願いしたからです」
-お願いとは。
「久芳さん自身に死ぬ気になってもらうように責め立てました」
-どういう目的で?
「角田家がお金に苦しいという事情があったので、(事故死に見せかけて)保険金を入れてもらう」
-久芳さんに死んでもらうという計画を知ったのはいつ?
「05年の3月上旬ごろ、久芳さんが逃げ出して見つかって、その時に行われた家族での話し合いで。そのころは会社の帰りに自転車で車に飛び込んで死ぬという形を試していたようでした」
-話し合いの元被告の口調は。
「『いつからこの話になってんねん』と久芳さんに対して怒鳴り上げて責め立て、周りにいる人に同調を求める時にはあきれたような口調で声を掛けていた」
-李被告の発言は?
「『わしやったらこんだけ言われたら逝くけどな』とか『男やったら覚悟決めな』とか」
-その後は。
「4月下旬ごろ、正則と久芳さんが夕方、2人で出掛けていて、『またやってるんやな』と思いました。正則は美代子から久芳さんの監視役を任されていた。出て行く時に正則が美代子に『じゃ、おばちゃん行ってきます』とか言って、戻ってきた時には『何遍やってもあかんかったわ』と」
-李被告は久芳さんに何か言っていた?
「美代子が正則に対して『ちょっと言うて聞かしたり』と言って、布団の上で(李被告と久芳さんが)2人で向かい合って『男やったら覚悟決めるしかないやろ』と説教してるというのがありました」
-何度か車への飛び込みを試みたが、死ねなかった。それでまた話し合いに。
「久芳さんが『やろうと思ってるけど、怖くてやっぱりできへん』と。美代子はそれを聞いてブチ切れた。『今更何言ってんねん』と怒鳴りながら、往復ビンタのように全力で顔面を殴ってました」
-元被告以外で、久芳さんに暴力を振るった人は。
「正則。美代子が『熱いか痛いしか分からんから、腕の骨折ったれ』と言って、正則が久芳さんの片腕を両手でつかんで、腕の内側をテーブルの角にガンガンガンと打ち付けた。久芳さんは普段あまり大きな声を出すことはなかったんですが、その時は『ああ!』とか『骨が折れる!』とか叫んでいた」
-元被告の反応は。
「『折ったれ言うてんから当たり前やろ』と」
-久芳さんは正座もさせられていた。
「1週間から10日間ぐらい。美代子の話を聞いてる時に、正則が『こんな時くらい正座して聞かれへんのか』と言って、それをきっかけに正座がちゃんとできないということに美代子が怒り出し、正座をちゃんとするという話に変わっていった」
-結局、自転車で飛び込む方法はできなかった。
「正則が美代子に『なんぼやってもあかんと思うわ』と。高い所から飛び降りるという方法に変わり、美代子が『うちがここって言った場所からやったら飛び降りられるか』と聞いていました。久芳さんが『それやったらできる』と答え、美代子が『分かった。うちがええ場所考えたるから待っとき』と」