尼崎連続変死 久芳さん事件で検察側「李被告が飛び降り迫った」

2015/08/20 20:07

 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理のいとこ、李正則被告(41)の裁判員裁判第2回公判が20日、神戸地裁であった。2005年7月に沖縄の崖で角田久芳さん=死亡時(51)=を転落死させ、保険金をだまし取ったとされる殺人、詐欺罪の審理が始まった。 関連ニュース 80歳男性変死、殺人容疑で74歳妻を逮捕 神戸・西区 介護に悩み、首を絞めたか 神戸・西区の男性変死 死因は窒息死 首に強い圧力かけられた可能性 宝塚の商業施設で女性変死 個室トイレで従業員が発見

 久芳さんは1982年ごろから元被告と同居し、給料全額を角田家に渡し続けたとされる。
 検察側は冒頭陳述で「崖のふちで飛び降りをためらう久芳さんに、被告が『はよせな』と迫った」と指摘。元被告は04年末ごろから事故を装って死ぬよう命じ、当初は自転車で走行中の車に飛び込む方法を試したが、李被告はなかなか実行できない久芳さんを責め立て、元被告の指示で久芳さんの腕を机の角に打ち付ける暴行を加えたとした。
 弁護側は「久芳さんは自ら自殺を決断した」と自殺関与罪を主張し、「はよせな」という発言や暴行を否定。詐欺罪も「詳しい事情は知らず、元被告の指示通り書類に記入しただけ」とほう助罪にとどまるとした。
 この日は元被告の義理の娘、角田瑠衣被告(30)が証人出廷し「なかなか死ねない久芳さんを正則が説教している場面を見た」などと述べた。

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