尼崎連続変死公判 鄭頼太郎被告一問一答「おちょくってるんちゃうか」
2015/09/14 20:31
尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理のいとこ、李正則被告(41)の裁判員裁判第8回公判が4日、神戸地裁であった。2008年3月に皆吉初代さん=死亡時(59)=を意識不明にさせ、その後死亡させたとされる傷害致死罪などの審理で、元被告の内縁の夫、鄭(てい)頼太郎被告(65)の証人尋問があった。検察官との主なやりとりは次の通り。
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-08年3月1日、あなたは元被告らを乗せて車を運転し、大阪のパチンコ店に行った。車には初代さんと、初代さんの長女仲島茉莉子さん、次女角田瑠衣被告がいた。
「そうです」
-立駐に入って車を止めた。その後は。
「(先にパチンコ店にいた)正則が立駐のエレベーターから車の方に来ました」
-李被告はどこに来た。
「後部座席の初代さんが座ってる側のドアを開けて、助手席の美代子としゃべってました」
-運転席のあなたはどっちを向いていた。
「前。車が揺れて、後ろを振り返ったら正則と茉莉子さんが、初代さんの頭を持って上下に揺らしてました」
-揺らした回数は?
「1分くらい揺らすのを3、4回繰り返していたと思います。その後、初代さんは何も言わずに天井を向いてました。美代子が『ちょっとおかしい』と気付いて、病院に連れて行くことになりました」
-おとついまで、あなたは検察官に今と同じような内容を話していたが、昨日の夜、あなたから検察官に申し出がありましたね。
「『初代さんには手を出していない』という正則の主張を聞いた時に、私がつけていたノートを確認したら、6ページと16ページに初代さんのことを書いたメモがあって、それを見ても正則の名前が載ってないんで、その私の記憶は勘違いかなと」
-あなたは記憶の整理のためにノートを書いていた。
「そうです」
-そこに「李被告が初代さんの頭を振った」ということは書いてなかった。
「6ページと16ページに書いてないんで。瑠衣と茉莉子さんの名前は出ていた。私は正則を疑ってたから、この裁判で正則に謝らなあかんなと思って」
-どんなことが書いてあった?
「初代さんの髪の毛をつかんで振ってる場面を書いてます」
◆ ◆
裁判員、裁判官との主なやりとりは次の通り。
-ノートというのは日記?
「何でつけてるかと言うたらそのノートを結局、出版社に出そうと思ってね。1円でも入ったら亡くなった人を償えるかなと思って」
-書いたのは事件当時?
「(逮捕後)灘署におる時です。便せんに書いて、便せんはばらばらになるんでノートに書き写しました」
-当初、この事件であなたの尋問は予定されていなかったが、急きょ呼ぶことになった。今、率直にどういう気持ちか。
「(裁判所は)何を思ってるんかなあ、と私自身ムカムカしました。私のことをおちょくってるんちゃうかと思って」
-当時の車内にいたのは(李被告、瑠衣被告以外に)もうあなたしかいないわけで呼ぶことになったんだが、裁判所には来たくなかった?
「はじめは嫌やったです。記憶も薄いし、しゃべるのも苦手なんで」