李正則被告に無期懲役判決 遺族コメント全文 尼崎連続変死

2015/11/13 20:48

 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理のいとこ李正則被告(41)に無期懲役を言い渡した神戸地裁判決を受け、皆吉初代さん=死亡時(59)=の元夫で、仲島茉莉子さん=同(26)=の父親が13日、代理人の弁護士を通じてコメントを出した。全文は次の通り。 関連ニュース 80歳男性変死、殺人容疑で74歳妻を逮捕 神戸・西区 介護に悩み、首を絞めたか 神戸・西区の男性変死 死因は窒息死 首に強い圧力かけられた可能性 宝塚の商業施設で女性変死 個室トイレで従業員が発見

 「本日、李正則被告に対する裁判員裁判の判決が出されました。
 一連の事件において正則被告の果たした役割につき、『美代子の指示をその手足となって実行する正則被告がいなければ、一連の犯行の実現は不可能だった』と判決が認定したことは、極めて正当な判断であったと思います。ただ、長期間にわたる虐待の末に、人間としての誇りを奪われ、命までも奪われた娘や妻の苦しみ、無念さを思うと、無期懲役という判決でも軽すぎる、命をもって亡くなった方々に償うべきだという気持ちがわき上がってきます。正則被告はこれから無期懲役刑に服することになるとはいえ、娘や妻の命、そして、角田家の一連の犯行により亡くなった方々の命は、二度と戻ってはこないのです。
 公判での正則被告の態度は、自分が犯した罪に正面から向き合わず、すべてを美代子のせいにして逃げているようにしか見えませんでした。正則被告には、自分の犯した罪の重さから目をそらさず、真摯(しんし)な思いで刑に服するよう願っています」

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ