尼崎連続変死 瑠衣被告の殺人行為、立証不足指摘

2015/11/26 22:24

 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理の娘瑠衣被告(30)に対する裁判員裁判第16回公判が26日、神戸地裁で開かれた。2日半ベランダ物置で監禁されて死亡し、岡山県の海から遺体で見つかった橋本次郎さん=死亡時(53)=に対する事件の審理で、中間論告・弁論があった。監禁以降の一連の虐待を殺人行為とする検察側に対し、弁護側が立証不足を指摘した。 関連ニュース 80歳男性変死、殺人容疑で74歳妻を逮捕 神戸・西区 介護に悩み、首を絞めたか 神戸・西区の男性変死 死因は窒息死 首に強い圧力かけられた可能性 宝塚の商業施設で女性変死 個室トイレで従業員が発見

 瑠衣被告は逮捕監禁や殺人などの罪に問われている。
 検察側は、元被告らの暴力や飲食途絶など継続的な虐待で「死の危険が現実化した」と強調。対する弁護側は、殺人行為について「衰弱を認識しながら、さらに虐待を加えて死亡させた」とする起訴状を取り上げ「検察はいつ衰弱したのか主張しておらず、どこからが殺人行為か分からない」と追及した。
 同被告の殺意をめぐっても争い、検察側は丸太による緊縛などの認識や監視行為を踏まえ「殺意があった」と強調。弁護側は、当時の被告が家事や育児に追われていたため「虐待のメンバーではなく、殺意に疑問の余地がある」と反論した。

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