尼崎連続変死公判 「僕がふがいないばかりに」優太郎受刑者一問一答
2015/12/18 21:56
尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理の娘瑠衣被告(30)に対する裁判員裁判第23回公判が18日、神戸地裁で開かれ、瑠衣被告の夫優太郎受刑者(28)の証人尋問があった。弁護側との主なやりとりは次の通り。
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-2人の結婚はいつ?
「2007年1月19日です」
-元被告は結婚について何と。
「ずっと反対していました」
-それでも結婚できたのはなぜ?
「他の家族が美代子を説得してくださって、結婚することになりました」
-瑠衣被告のどこに引かれたか。
「優しいところが一番で、誰に対しても面倒見たり、お年寄りや私にも優しくて、素朴で、田舎が好きだというのもよく伝わってきて、そういうところも僕と合いました」
-逆に直してほしいと思うところは。
「真面目すぎて、いちずなところがあるので、周りが見えなくなることがあります」
-2人の子どもの名前は誰が付けた?
「美代子が決めました。僕は反対で、別の名前を付けたかったけど反対されて、提案もしたけどけられました」
-瑠衣被告の接見禁止が今年10月に解除になった。手紙のやりとりは。
「してます。瑠衣から6通、私から返事を3通出しました」
-どんなことが書いてあった?
「申し訳ないという思いがあると言っていましたし、もう一回やり直したいなと思うと書いてありました」
-あなたの返事は?
「母として、妻としての生活をさせられなかったことにすごく申し訳ないと思っていると書きました。美代子とずっといたので、普通の生活ができてませんでしたし、子どもとの関わりも普通ではなかったと思います」
-会えない中、瑠衣被告とはどう関わろうと考えている?
「手紙ではこれからもやりとりしたいと思っていますし、僕が先か瑠衣が先か分かりませんが、社会復帰したら会いたいです」
-社会復帰後の仕事について考えることは。
「やりたい仕事もあるので、高卒認定試験の勉強をしています」
-瑠衣被告も?
「はい」
-今、2人の子どもはどこに。
「施設にいます。僕がふがいないばかりに、子どもには罪はないので、すごく申し訳なく思っています」
-子どもとの関わりは。
「施設の人を介した手紙のやりとりや、写真を見せてもらったり、僕からはプレゼントを贈っています」
-瑠衣被告は?
「この公判が終わるまではけじめを付けるためにやりとりはしていないと聞いています」
-瑠衣被告のお父さんに手紙は。
「6、7通書いています」
-返事は?
「返ってきたことはありません」
-なぜだと思う?
「怒りが解けていませんし、腹立たしい気持ちがあるのだと思います」
-どうすればいいと考えている?
「時間がかかると思いますが、許してもらいたい気持ちがあります」
-裁判官や裁判員の人に伝えておきたいことはあるか。
「今回の件では、瑠衣にも責任があるのは確かだと思います。でも本当に悪いのは美代子ですし、それを止められなかったのは男である僕ですし、他の大人も止められませんでした。瑠衣のつらい立場もしんしゃくして判断を下していただけたらありがたいと思います」
-瑠衣被告にかける言葉は。
「本当にずっとつらい思いをさせてきて苦しかったと思いますし、本当なら普通の生活もできたのに、美代子と関わったばかりにつらい思いばかりさせてしまって申し訳ないと思います。でも2人で頑張っていけたらと思いますし、離れ離れでも支えるので頑張ってくださいと思っています」
-瑠衣被告のお父さんが、あなたと瑠衣被告や、あなたと子どもの関わりを拒否したらどうする?
「覚悟はしていますが、それでもお願いしていきたいと思いますし、許しを請いたいと思います」