尼崎連続変死公判 瑠衣被告に懲役30年求刑
2015/12/24 12:15
尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理の娘瑠衣被告(30)の裁判員裁判の論告求刑公判が24日、神戸地裁(佐茂剛裁判長)であった。検察側は「元被告に積極的に同調し、重要な役割を果たした」として有期刑上限の懲役30年を求刑。弁護側は「いずれの事件も元被告の発案で、関与は補助的」と主張し、結審した。判決は来年2月12日。
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元被告と親族7人らが起訴された一連の事件で、一審では最後の裁判。瑠衣被告は、沖縄県の崖から転落死した角田久芳さん=死亡時(51)=のほか、ともに尼崎市内のマンションベランダで死亡した姉の仲島茉莉子さん=同(26)=と橋本次郎さん=同(53)=に対する3件の殺人罪など計九つの罪に問われている。
検察側は各事件で、美代子元被告らの暴行や虐待など死に追い込む行為の危険性を認識していたと強調。「元被告を信じるあまりに言動をうのみにし、正当化した」と指摘した。
一方、同被告が一連の事件の公判に検察側の証人として出廷した点も重視。「無期懲役の判断もありえたが、事件全体の解明に多大なる協力をした」として有期刑を選択した。
弁護側は「瑠衣被告が積極的に関わった事件は一つもなく、関与はごく限られていた」と反論。17歳で角田家に取り込まれたことで「反社会的な価値観を有する元被告のマインドコントロール下にあった」とし、大半の罪でほう助罪が適切として懲役15年を主張した。
瑠衣被告は最終意見陳述で証言台に立ち「公判に必要なことは全て話しました。被害者や遺族の方々の苦しみと同じだけ、厳正な処罰をお願いします」と淡々と述べた。