尼崎連続変死事件 発覚4年超、最後の一審判決
2016/02/13 07:02
神戸新聞NEXT
尼崎連続変死事件の端緒は2011年11月、尼崎市の貸倉庫でドラム缶に入った女性の遺体が発見されたことだった。兵庫県警は角田美代子元被告=自殺時(64)=の周辺で男女8人の死亡を確認。元被告と親族ら7人を逮捕したが、元被告は12年12月、県警本部の留置場で自殺した。
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事件発覚から3年後の14年11月、元被告の次男優太郎受刑者(29)の裁判員裁判が神戸地裁で始まった。一連の裁判は、元被告の義理の娘瑠衣被告(30)まで1年以上にわたって続いた。
神戸地裁は7人全員に元被告との共謀を認定。このうち元被告の義理のいとこ李正則被告(41)に対しては「元被告に匹敵するほどの重要な役割を積極的に果たした」として、7人中最も重い無期懲役を宣告。既に4人の刑が確定し、李被告を含めた2人が大阪高裁に控訴している。
複数の事件が絡む公判となるため、神戸地裁は事件ごとに審理期間を区切り、そのたびに検察、弁護側双方が事件に対する意見を述べる中間論告・弁論を実施。審理する曜日も固定することで裁判員の負担軽減を図った。
審理の長期化は避けられず、最高裁によると、昨年12月時点で、元被告の義理の妹角田三枝子受刑者(62)ら3人を一括審理した127日間が、09年に裁判員制度が始まってから最長となっている。