尼崎連続変死 李被告側「量刑不当」控訴審初公判
2016/11/04 12:29
尼崎連続変死事件で、男女3人に対する殺人罪などに問われ、神戸地裁の裁判員裁判で無期懲役判決を受けた李正則被告(42)の控訴審初公判が4日、大阪高裁(笹野明義裁判長)であった。弁護側は義理のいとこで事件の主犯とされる角田美代子元被告=自殺時(64)=に従属的だったとして「元被告に匹敵する役割とした一審判決には事実誤認があり、量刑は不当」などと主張。検察側は控訴棄却を求めた。
李被告は五つの事件で、殺人のほか、傷害致死や死体遺棄など計10の罪に問われている。
弁護側は控訴趣意書で、起訴されたいずれの事件も「美代子元被告が中心的役割を果たし、各事件は元被告の意図や指示に基づく」と指摘。転落死に見せかけた保険金殺人と一審で判断された角田久芳さん=死亡時(51)=の事件については「主導したのは元被告で、計画の立案に全く関与していない」とした。
一連の事件では李被告のほかに元被告の親族ら6人が起訴され、うち5人の懲役15~23年の判決が確定し、1人が上告している。