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京から富岳へ~スパコンの今

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阪神・淡路大震災の揺れで、東神戸大橋の橋桁を押さえる部品(中央付近)が外れる様子の再現=いずれも阪神高速道路(株)・(株)地震工学研究開発センター共同制作
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阪神・淡路大震災の揺れで、東神戸大橋の橋桁を押さえる部品(中央付近)が外れる様子の再現=いずれも阪神高速道路(株)・(株)地震工学研究開発センター共同制作
南海トラフ大地震で東神戸大橋が揺れる様子のシミュレーション(変形幅を100倍に拡大)
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南海トラフ大地震で東神戸大橋が揺れる様子のシミュレーション(変形幅を100倍に拡大)

 今から80年ほど前の1940年。米ワシントン州で、完成からわずか4カ月の巨大なつり橋が、ブランコのように揺れ、ちぎれ落ちた。風で揺れが増幅されたのが原因とされている。

 このように、巨大な構造物には自然界のさまざまな力がかかる。兵庫県でも、95年の阪神・淡路大震災で阪神高速神戸線の一部が倒壊。東神戸大橋(神戸市東灘区)は橋の端が破損して跳ね上がり、復旧に約3カ月かかった。阪神高速道路会社(大阪市)がスーパーコンピューター「京」に目を付けたのは、そうした阪神・淡路の検証や、来るべき南海トラフ大地震などのシミュレーションに使えないか、と考えたからだ。

 東神戸大橋は、被災の前年に、当時の最新技術で造られていた。地盤にも橋本体にもセンサーが付いており、震災時の動きを再現するデータはそろっていた。しかし従来のコンピューターでは、部品レベルの損傷状況や発生時刻の解析は難しかった。京はそれを可能にした。膨大な計算で当時の動きを可視化すると、部材の接続部分で連鎖的に破壊が発生する様子や、押さえる部品が壊れて橋桁が跳ね上がる過程を確認できた。

【動画】「地震時の東神戸大橋」はこちら

 現在取り組むのは、複雑な長大橋や地上の橋脚を含めた阪神高速ネットワーク全体の地震シミュレーションだ。南海トラフ大地震と大阪直下型の上町断層大地震を想定した揺れを東神戸大橋で比べると、地震動の周期などで全く動きが異なることが判明。今後素材の強度や厚みなどを忠実に反映したデータも入れ、詳細な解析モデルを構築し、新しい橋の設計や老朽化している既存の橋の維持管理などに役立てていく方針だ。

 同社の金治英貞フェロー(技術推進担当)は「シミュレーションの対象範囲と分析精度を上げるため、後継機『富岳』の活用を検討したい」としている。(霍見真一郎)

2019/9/11

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