連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

京から富岳へ~スパコンの今

  • 印刷
薬局での手話通訳に人工知能(AI)を活用したイメージ。聴覚障害者と、手話ができない薬剤師がやりとりできるようになる(日本ユニシス株式会社提供)
拡大
薬局での手話通訳に人工知能(AI)を活用したイメージ。聴覚障害者と、手話ができない薬剤師がやりとりできるようになる(日本ユニシス株式会社提供)
動物園のチンパンジーを見守るAIシステムを説明する山本雅人教授=北海道大
拡大
動物園のチンパンジーを見守るAIシステムを説明する山本雅人教授=北海道大

 人工知能(AI)研究の拠点として異彩を放つ札幌市は2016年、同研究の社会還元を先導する都市を目指し「札幌AIラボ」を設立した。企業や研究者など約100者で始まったが、すでに約150者まで増加。昨年の講座は延べ約700人が受講し、現在約10本のプロジェクトを進めているという。

 ラボの参加メンバーの一人、北海道大学大学院情報科学研究院の山本雅人(まさひと)教授(51)は、AIによる手話通訳アプリを開発している。薬局で、聴覚障害者と薬剤師が、症状や薬などの会話で使う40単語を試行的にAI学習させた。学内コンピューターに2、3秒の手話動画約5千種類を見せ続け、現在正答率は9割に達しているという。

【動画】「AIを使った手話通訳はこちら」

 山本教授はほかにも、動物園でチンパンジーの群れをカメラで撮影し続け、異常や発情期の兆候などを通知するAIシステムや、カーリングの戦術を考えるAIも研究している。

 スーパーコンピューター「京」の後継機「富岳」は、AI研究に活用できる機能が看板の一つだ。しかし、山本教授は「AI研究者で現在スパコンを使う人はほとんどいない」と話す。AI研究では、プログラム開発の過程で、コンピューターを何度も止めて、扱う数値を変える調整を行う。京のような巨大スパコンは、AI研究者にとっては、使い勝手の面でも課題があった。

 手話アプリの場合、実用化するには数千~1万程度の単語を学習させる必要があるという。山本教授は「将来的に、スパコンでなければ計算できないデータ量になるだろう」と話す。富岳では、AI研究者の使い勝手が重要なポイントの一つになりそうだ。

2019/9/18

天気(9月30日)

  • 24℃
  • 21℃
  • 60%

  • 24℃
  • 17℃
  • 60%

  • 26℃
  • 20℃
  • 30%

  • 27℃
  • 18℃
  • 60%

お知らせ