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性能データ改ざんの経緯を報告し、謝罪する神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長(左)=12日、経産省
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性能データ改ざんの経緯を報告し、謝罪する神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長(左)=12日、経産省

 アルミニウムや銅製品に加え主力の鋼材の検査データを改ざんしたとして、国内3位の鉄鋼メーカー神戸製鋼所が大きく揺れています。アルミは自動車や航空機など日本を代表する産業で同社の製品が数多く使われていたからです。最近は車を軽くして燃費性能をよくし、地球温暖化につながる排ガスを減らそうと、自動車メーカーが開発にしのぎを削っています。

 -アルミはどうやって作るの?

 「ロシアやカナダなどから輸入したアルミの原料(地金)を工場で溶かし、不純物のない塊を作る。これを引き延ばして薄い板にしたり、ところてんのように押し出して長い棒にしたりするんだ。溶かしたアルミを型に流し込んで、複雑な形にすることもできるよ」

 -なぜ製鉄会社がアルミを作っているの?

 「今からちょうど100年前、現在の北九州市で銅製品の工場を造ったのが原点だよ。第1次世界大戦後には世界的に航空機が増えたので、アルミ合金の製造にも進出した。『住友』『古河』の国内二大メーカー(後に統合し現在業界トップのUACJ)に迫る存在になったんだ。製鉄会社から分離独立する会社がある中、神戸製鋼のアルミ部門は鉄鋼メーカーの一部門にとどまり続け、1960年代には神奈川、栃木に工場を新設して念願だった関東地区に進出したんだ。売上高は3千億円を超え、神戸製鋼全体の2割を占めているよ」

 -アルミといえば、ジュースの缶やアルミホイルが思い浮かぶね。

 「チョコレートの包み紙やレトルト食品の入れ物など身近にも結構あるよね。でも、最も多く使われているのが自動車や電車などの輸送分野で、全体の4割を占めるんだ。ジュース缶などの包装容器向けは1割程度なんだ」

 -自動車のどんな部分に使われているの?

 「例えば、トヨタのプリウスでは、前方のボンネットや後方のトランクに当たる部分がアルミ製だといわれているよ。神戸製鋼は、鉄もアルミも売っている世界で唯一の企業という触れ込みで、メーカーに素材を提案していた。値段は高いけど軽いアルミと、重いけど価格の安い鉄をうまく組み合わせれば、燃費をよくできるからね」

 -神戸製鋼にとっては大切な事業ってことか。

 「神戸製鋼の決算は2年連続で赤字なんだけど、アルミと銅の事業はかなり好調だったんだ。七つある事業のうち、2016年度は電力事業に次ぐ120億円の利益を上げているよ」

 -どんな検査をしていたのかな。

 「試験をするための金属片を切り出すんだ。長いアルミ板なら中間部分を切り取って、鋳物なら端っこを取る。これを引っ張って強さを調べたり、内部の成分を調べたり、いろんな検査をしてから出荷するよう、あらかじめお客と取り決めている」

 「神戸製鋼はその検査で、不合格だった製品の数値を書き換えて合格品にしたり、お客との間で2回と決めた検査を1回で済ませたりしていた。お客は世界中の約200社に上っていて、どんな製品に使われているのかを確認するだけでも大変だ。さらに銅や鉄鋼の製品で新たな不正が見つかり、出荷先は計約500社に広がった。信頼の低下はとどまらない見通しだよ」

(高見雄樹)

2017/10/14

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