将棋段位の決め方は?

2018/12/17 14:30

神戸新聞NEXT

 将棋の最年少棋士・藤井聡太(そうた)六段(15)も、4月から高校生。2月には朝日杯オープンで史上最年少優勝を果たし、五段から昇段しましたが、そういえば年明けには四段だったはず。プロ棋士の昇段って、どのような仕組みになっているのでしょうか。 関連ニュース 兵庫県アマ将棋名人戦 第2回東地区大会で84人が手の読み合い 神戸 藤井と永瀬、波乱の幕開け 将棋王位戦第1局 初日に千日手が成立 将棋王位戦第1局 61手目で「千日手」成立、指し直しに

 -棋士の段位はどう決めるの?
 「将棋のプロ棋士は四段からスタート。段位を上げるには、基本的に(1)順位戦で昇級(2)勝ち星を重ねる-という二つの道があるね」
 「まず(1)について。棋士になると名人を目指す順位戦に参加する。順位戦はA級からC級2組まで5段階に分かれ、1年がかりで戦うリーグ戦。新四段は最下位のC級2組に入り、上位3位以内の成績を挙げてC級1組に昇級すると五段に昇段する」
 -(2)の勝ち星による昇段って?
 「例えば四段で100勝すれば五段、五段になって120勝すれば六段昇段と細かいルールが定められている。八段から最高段位の九段になるには250勝が必要なんだ」
 -ほかに昇段する道は?
 「竜王戦ランキング戦での昇級、朝日杯のような全棋士参加棋戦での優勝など、段位ごとに昇段条件がある。棋士は段位で対局料などが違ってくるので、昇段に向け全力投球する。また、成績が悪くても段位が下がることはない。以前、棋士の段位は順位戦の成績のみで決められていたが、棋士の生活も考慮し、幅広い選択肢のある現在の規定になった」
 -「藤井四段」から「藤井六段」に昇段したのはどういう理由?
 「藤井さんは今期順位戦のC級2組に初参加し、2月1日の9回戦で無傷の9連勝。C級1組への昇級を確定させ、同日付で五段に昇段した。それから2月17日の朝日杯で優勝したことで、六段昇段を決めた。半月ほどの短い期間で連続昇段するというのは異例だが、トッププロも参加する朝日杯で佐藤天彦名人や羽生善治二冠、広瀬章人八段ら名だたる強豪を次々と下しての昇段で、文句なしといえるね」
 -七段への昇段も近いのかな。
 「藤井六段の場合、進行中の竜王戦5組ランキング戦であと2連勝し、4組昇級を決めるのが、七段への一番の早道。『六段昇段後竜王ランキング戦連続昇級または通算3回優勝』という規定に該当する。日程は決まっていないが、早ければ5月上旬にも実現する」
 -名人に挑戦する日も遠くない?
 「いや、順位戦は1年を通じて、どれだけ優秀な成績でも1クラスしか上がらない。C級2組の棋士が名人に挑戦するには、最短で5年かかるんだ」
 -順位戦が名人につながるんだね。
 「名人の座は棋士の夢といわれている。名人戦以外の7タイトル戦は毎年、新人プロの四段でも可能性があるが、名人挑戦だけはA級順位戦の優勝者に限られている。A級は基本的に10人で構成される正真正銘のトップリーグ。今期は羽生二冠が佐藤名人への挑戦権を獲得。羽生二冠にとっては通算獲得タイトル数100期が懸かる7番勝負となり、こちらも注目だね」

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