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市街地の中にある米軍普天間飛行場=沖縄県宜野湾市
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市街地の中にある米軍普天間飛行場=沖縄県宜野湾市
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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設の賛否を問う県民投票が告示され、24日に投開票となります。国土面積の約0・6%の沖縄には、在日米軍専用施設の約70%が存在しており、基地の過重負担の軽減を訴えてきた歴史があります。沖縄にはどうして米軍基地が集中しているのか、今回の県民投票の意味は何なのかを考えてみました。(久保田麻依子)

 -沖縄に米軍基地が建設された歴史を教えて。

 「太平洋戦争末期、沖縄では日本で唯一の地上戦が行われたんだ。沖縄に上陸した米軍は住民を収容所に隔離し、その間に土地を強制接収し基地建設を進めた。その後も朝鮮戦争の勃発などで新しい基地が必要とされ、米軍の『銃剣とブルドーザー』による強制収容が行われたんだよ」

 「沖縄は終戦後から1972年の本土復帰までの27年間、米軍の統治下にあった。本土では戦後、基地の整理縮小が進んだけれど、その影響を受けて沖縄の基地負担が増えたんだ」

 -基地の受け入れは日米同盟の重要な案件だけど、沖縄の人たちは、どうして基地の縮小や移転を求めているの?

 「普天間飛行場がある宜野湾市を含め、本島中南部の人口密度は神戸市と同じ水準にあって、沖縄でも重要な都市圏に位置づけられている。普天間飛行場は住宅街の真ん中に存在していて、『世界一危険な基地』と言われているよ。2004年には、沖縄国際大学(同市)の構内に米軍ヘリが墜落し、米兵3人が負傷する事故が発生。その後も事件事故や騒音などの問題が多発し、住民生活に影響を与えているんだ」

 「昨年8月に亡くなった翁長雄志(おながたけし)前知事は、同年6月の『慰霊の日』の平和宣言で『沖縄の米軍基地問題は日本全体の安全保障の問題であり、国民全体で負担すべきだ』と訴えていて、現知事の玉城デニー氏もその考えを踏まえて、政府と交渉をしているんだ」

 -県民投票はどうして行われるの?

 「政府は99年、普天間の代替基地として辺野古沿岸部に移設することを決定した。沖縄県による工事差し止めを求める裁判や、市民の抗議活動がたびたび行われたが、昨年12月には土砂投入が始まったよ」

 「県民投票は移設工事を推し進める国に対し、民意を明確に示すことが大きな狙いだ。市民グループが昨年5月、県民投票条例の制定に必要な署名活動を行い、請求に必要とされる署名数を上回る約9万筆超が集まったそうだ。一時は5市の首長が参加を拒否したんだけど、(埋め立て工事に)『賛成』『反対』の選択肢に『どちらでもない』という項目を加えることで参加に転じ、全県民による投票が実現することになったよ」

 「全国初の県民投票として注目された前回(96年)は、基地の整理・縮小と日米地位協定の見直しを求めたもので、『賛成』が89%だったんだ」

 -県民投票の結果は、今後の政局や工事に影響を与えるの?

 「結果に法的拘束力はないが、県民投票条例には、得票の最も多いものが、有権者の4分の1に達したときには、知事は結果を尊重しなければならないと定めているよ」

 「ただ、地方自治や日米関係に詳しい沖縄国際大の佐藤学教授は『安倍政権は、結果をくむつもりはないと宣言しており、政局にどう影響を与えるかは不透明』と指摘し、基地問題が今後も混迷を続けることは避けられないようだ。佐藤教授は『県民投票が辺野古の実態を県内外に知らせる機会として捉え、国民全体の議論として考えてもらうために注目してもらいたい』としているよ」

2019/2/16

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