神戸・北区の最北の地「道場町」 自然や史跡巡るイベントに参加

2019/10/17 05:30

塩田獅子舞とふれあう楓君(手前左から2人目)と凜ちゃん=神戸市北区道場町道場

 道は季節の移ろいとともに表情を変える。「北マンスリー 街道を行く」。神戸市北区の大動脈である有馬街道の起点(同市兵庫区平野町)を出発したのは真夏の8月上旬。北へ北へと歩みを進め、ついに最北の道場町へやって来た。秋が深まり行く中、同町の豊かな自然や歴史的建造物を巡る「とりっぷing道場」が開かれると聞き、参加者に同行した。(喜田美咲) 関連ニュース 神戸中心部のバス1日乗り放題券、市民は半額に アプリで登録すれば11月末まで最大5回 神戸市と芦屋市のごみ処理広域化、来年にも協議書締結で調整 30年度以降受け入れ開始 三田市、市民病院看護師らの給与保障へ 指定管理制導入で固定給最大2割減 公務員と同等の待遇検討

 地元の20~40代でつくる「道場みらい隊」が企画し3回目。14日午前10時、出発地点の農村環境改善センター(同市北区道場町塩田)には、市内外から96人30組(1チーム2~5人)が集まった。同町にある30カ所の名所にポイントが定められており、制限時間(約2時間)内に徒歩で回って合計点を競う。
 同町から参加した岩崎宏樹さん(42)、妻のあかねさん(45)、長男楓君(8)、長女凜ちゃん(6)一家に同行した。岩崎さんらが巡ったポイントは以下の8カ所。
(1)塩田獅子舞(道場)
(2)愛宕神社(〃)
(3)松原城跡(日下部)
(4)東馬場農園(塩田)
(5)南所薬師堂(〃)
(6)枝豆畑(〃)
(7)照願寺(〃)
(8)道場小学校(〃)
 まず向かったのは、約350年の歴史を持つ塩田獅子舞。この日は、塩田八幡宮(同町塩田)の秋の例祭で、町を練り歩く獅子舞に接触することがミッションだった。楓君と凜ちゃんは早々と見つけ、通行手形をゲットした。
 3カ所目は南北朝時代に築城された、たんぽぽ城こと「松原城」跡。たんぽぽは別名「鼓草」で、当時の城主の娘が鼓の名手であったことからこう呼ばれるようになったという。1579年に豊臣秀吉に攻められ落城した。
 現在、宅地開発事業に伴う発掘作業が行われているが、今回は特別に見学が許可された。宏樹さんは「以前はこの近くに友人の家があったので懐かしい」と目を細めた。
 「とりっぷ-」の魅力は歴史的建造物を巡るだけでなく、芋掘りや枝豆の収穫など地元の自然に触れる体験ができること。岩崎さん一家は、東馬場農園をコースに選んだ。
 お目当ては「うれしおトマト」。栽培に利用している地下水には塩分が含まれており、味が濃く甘いのが特徴だ。詰め放題に挑戦し、トマトを食べた凜ちゃんは「おいしい!」と笑顔を見せた。
 枝豆の収穫や創立146年の道場小学校などを経て、ゴールした岩崎一家を待ち受けていたのは、地元産の大豆を使用した「北神みそ」の豚汁。あかねさんは「普段は車でしか通らない道も歩いてみると、新しい発見がある」と話した。同隊の藤原宏明さん(48)は「古き良き魅力の詰まった道場町を盛り上げていきたい」と力を込めた。

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