バスケットボール・テーブス海「ウイルス終息の時に…」新型コロナ拡大を受け
2020/04/23 13:01
故郷神戸の中高生選手らにエールを送るテーブス海(左)
バスケットボール男子で東京五輪出場を目指す日本のホープ、テーブス海(神戸市東灘区出身)が今年1月、全米大学体育協会(NCAA)1部校からBリーグ1部(B1)宇都宮に加入し、国内での1季目を終えた。新型コロナウイルス感染拡大で打ち切られたシーズンだったが、21歳のポイントガードは手応えを話し、郷土・神戸の後輩アスリートらに思いを寄せた。4月中旬、神戸新聞の電話取材に応じた。(聞き手・藤村有希子)
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-NCAA1部のノースカロライナ大ウィルミントンでは昨季、所属カンファレンス新記録の253アシストを挙げ、1試合平均では全米2位の7・7アシストと活躍したが一転、宇都宮入りを決めた。
「NCAAのディビジョン1(1部)といっても、チームによってレベルの差があった。その中で、僕のいた大学はレベルが低く、Bリーグに行く決断が合っているんじゃないかと感じた。一段とレベルの高い場所に移ったと思っている」
-1月から宇都宮の特別指定選手として2カ月間、12試合に出場した。
「ポイントガードとしてBリーグでは大きい方(188センチ)で、自信を持ってやれた。一方、これまでは自分が中心のチームだったが(宇都宮)ブレックスにはうまい選手が多く、いかに僕が合わせられるかだった。彼らが気持ちよくプレーできるようにゲームメークするのはまだこれから」
-感染拡大を受け、故郷の中高生選手らもチーム活動はできず、個々にトレーニングしている。
「僕は兵庫、神戸がすごく好きで。本来なら夏の総体が近づいているころですよね。ウイルスが終息した時に誰がちゃんと努力していたか、それは自分だと言えるように。言い訳せず、今こそ頑張ってほしい。心の底から応援しています」
-おすすめの練習は。
「ビニール袋に入れたバスケットボールでハンドリング、ドリブルをする。僕も中学のころ、地元の六甲アイランドの路上でやっていた。滑りやすい状態で練習した後、袋なしでボールを触ると、すごく手に付きやすい」
-自身のツイッターには六甲アイランドの写真を掲げる。
「いつかまた住みたい。僕には神戸市が一番の街。育った場所で、いろんないい思い出がある。永遠に友達と思っている人や、母方のおじいちゃんとおばあちゃんも住んでいる。海、山があって都会で、きれいだなと」
-今後に向けて。
「Bリーグ優勝が第一の目標。来季もブレックスにいたい。日本代表への思いも、もちろん強い。五輪が1年延期になって、自分にとってはチャンス。僕はまだ若いが、年齢は関係なくて、波のない選手になるのが一番。毎日成長したい」
-NBAアカデミーU16(16歳以下)キャンプに参加した弟の流河(るか)選手が今春、報徳高に進学した。
「シュートがうまい。技術の面で本当に優れていて、努力家で未来は明るい。僕を超えない程度にうまくなってくれたらうれしい(笑)。いつか2人で代表入りするのが夢です」
▽テーブス・かい 1998年9月17日生まれ。神戸市東灘区出身。父はカナダ出身でB2西宮の前身、旧日本リーグ兵庫の元ヘッドコーチのバークさん。神戸市立本庄中から東京・京北高(現東洋大京北高)に進み、2年途中で退学し渡米。昨季はノースカロライナ大ウィルミントンで活躍し、若手中心の日本代表に選出。今年1月からB1宇都宮でプレー。