個人向け社債 企業の信用力で異なる利率

2014/07/10 17:34

 個人が投資できる債券の一つが社債です。社債は事業資金を集めるために借金をする企業が出す「証文」だと考えれば、分かりやすいでしょう。通常は満期が来れば元本が返済され、決められた利率で計算した金利を毎年受け取ることができます。

 企業にとって社債は、金融機関から融資を受けたり、株式を発行したりするのと並ぶ主要な資金調達手段です。最近ではソフトバンクやオリックス、楽天などが個人向けの社債を発行しました。
 個人向け社債の魅力は、預貯金や個人向け国債に比べて利率が高い場合が多い点です。利率は発行する企業の信用力や元本返済までの期間の長さによって異なります。
 社債は発行した企業がつぶれると金利の支払いが止まり、元本も返ってこない恐れがあります。大手スーパーのマイカルが破綻した際には、個人向け社債の元本が約3割しか戻りませんでした。
 こうした危険性を判断するための目安となるのが格付けです。格付けが高いほど安全性も高いとされます。投資初心者は利率が高くても、格付けの低い会社の社債に手を出さない方が、いいかもしれません。
 社債を買うには、どうしたらいいでしょうか。購入場所は証券会社ですが、取り扱っている社債は証券会社によって違います。人気のある社債は発売後、短い時間で売り切れることもあります。販売は100万円単位が多いようです。
 社債は、元本返済まで保有するのが基本です。持っている期間が長ければ長いほど、いろいろなことが起きます。世界的な不況になって発行会社が経営危機に陥ることも想定しておいた方がいいでしょう。逆に好景気で預貯金の金利が上昇し、社債よりも有利な運用が可能になることも考えられます。
 社債への投資も、得られる利益とリスクの両方をよく検討しましょう。

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