出来高と売買代金 毎営業日公表、市場の勢い示す

2014/07/10 17:29

 株式投資をする際には市場全体に勢いがあるかどうかを見極めることも大切です。その判断に役立つのが、取引された株式数を示す「出来高」と、出来高に株価を掛けた「売買代金」です。

 東京証券取引所は出来高と売買代金を毎営業日に公表しています。新聞の株価欄などを見ると、比較的簡単にチェックできます。市場関係者の間では東証1部の活況の目安が出来高25億株以上、かつ売買代金2兆円以上とされています。
 相場が上昇局面にあるときは、一段の値上がりを期待して株を買おうという人も、高くなった株を売ろうという人も多くなるので出来高が増え、売買代金も膨らむ傾向にあります。
 逆に、相場が下落する場面では、さらに値下がりするかもしれないと感じて、投資家が買いを手控え、売り手も値上がりを待とうとするので、出来高が低迷し、売買代金が落ち込むことが多くなります。
 ただ、相場が急落しているときには、損失が少ないうちに売却しようとする人が相次いで、出来高や売買代金が増加することもあります。
 昨年は、政府や日銀の政策への期待から取引が増え、売買が活発になりました。東証1部の年間出来高は、前年比約62%増の8418億株で過去最高を更新し、売買代金は前年の約2倍の640兆円でした。
 一方、ことしは出来高と売買代金が伸び悩み、活況の目安を下回る日が目立ちます。
 投資家が将来の市場の出来高と売買代金をどうみているかを推測するのに証券会社の株価が有用なこともあります。
 出来高が増えるという見方が強まれば証券会社の手数料収入が増えると期待され、株価が上がるというわけです。反対に出来高の減少が見込まれれば、株価にはマイナスです。もちろん証券会社の株価はいろんな要因でも動くので、参考程度にしましょう。

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