株式分割 少ない金額で購入可能に
2014/07/11 16:56
企業が発行済みの株式1株を2株に分けたり、5株に分けたりすることを株式分割といいます。一つのものが半分になれば、普通価格も2分の1になります。株も同じで例えば1株が2株に分割されれば株価は2分の1になり、より少ない金額で買うことができるようになります。
1株を2株に分けると千株を持つ人の株は自動的に2千株になります。株価は半分になりますが手持ちの数が2倍になるので損も得もしません。
仮に1株が6千円で、100株単位で売買されるA社株を考えてみましょう。今、A社株を買うには最低60万円が必要になります。ここで1株が3株に分割されたらどうでしょう。1株の値段は3分の1の2千円になるので20万円で売り買いができるようになります。5株に分割されれば12万円あればOKです。
株式分割の最大のメリットは市場で売買がしやすくなることです。これを「流動性が高まる」と言います。株式分割は株を買う人だけではなく、買い手が見つかりやすくなるため、株を保有している人にも歓迎されて、結果的に株価が上がることが珍しくありません。
1株を1.1株に分けるといった分割もあります。100株を持っている人の手持ちが10株増えるといった具合です。もし、1株当たりの配当の金額が変わらなければ、配当として得る利益も株数に応じて増えます。
以前は、1株当たりの純資産額が5万円を下回ってはいけないとの決まりがありましたが、この規制はなくなりました。このため、1株を100分割した旧ライブドアのようなケースも出てきました。しかし今は、株式の流通に混乱をもたらす事態を避けるため、5分割を超えないことが目安とされています。
投資家には利点のある株式分割ですが、企業にとっては、株主が増えると株主総会への招待状の発行部数が増えるなど、経費や事務作業が増えるという側面もあります。