空売り 「値下がり」利用して、もうけ

2014/07/30 16:28

 株式投資をする際に、手持ちの株が値上がりして利益が出るというのは分かりやすいでしょう。でも、株の値下がりを利用して、もうける方法もあります。それが「空売り」です。少し詳しい人は「ショート」と呼ぶこともあります。 関連ニュース 震災事業で架空売り上げか 9億7千万円、特捜部捜査

 簡単に仕組みをみましょう。空売りといっても架空の注文を出すわけではありません。あなたが今、10万円のA社の株がこれから値下がりすると予想しているとします。ただ、手元に株はありません。そこで、まず証券会社からA社株を借り、10万円で売ります。
 それから、予想通りに値下がりして、8万円になったとします。この時点でA社株を買い戻して証券会社にA社株を返すのです。このようにして売値(10万円)と、買値(8万円)差額の2万円が手に入ります。
 もっとも、証券会社に各種の経費を払う必要があるので、2万円全てが利益になるわけではありません。
 空売りは、値下がりの場面でも、もうけられるので便利なのは事実ですが、下がると思っていた株が逆に値上がりすると、損をすることになります。相場の将来を予測することに慣れていない投資初心者には、不向きと言えるでしょう。
 このため、以前はプロ向けの投資手法とされてきましたが、今は専門的な知識を持つ人も増え、空売りを手掛ける個人投資家も多くなりました。
 株を借りるときは、その3割程度の担保を証券会社に差し出します。逆に言うと、担保の約3倍の株を借りられます。借りた株は6カ月以内に返すのが原則です。
 上場している株式全てが空売りできるわけではありません。有名な大手企業の株の多くは空売りができますが、証券会社によって取り扱う銘柄が異なります。東証の市場別にみると、新興市場のジャスダックやマザーズの銘柄は市場1部に比べて空売りできない銘柄が多いようです。

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