私設取引システム 安い手数料、取引所通さず売買
2014/08/20 16:14
株式は証券取引所で売買するのが一般的です。でも、私設取引システム(PTS)という仕組みを使えば、個人の投資家も取引所を通さずに売り買いができます。一時はかなり注目度が高かったのですが、今はそれほどでもないようです。
PTSを運営しているのは証券会社です。現在、国内ではSBIジャパンネクスト証券と、野村ホールディングス系のチャイエックス・ジャパンの計二つのPTSがあります。
個人投資家がこれらのPTSで売買する際はシステムを運営する会社ではなく、PTSを利用する資格を持つ証券会社に口座を開いて注文を取り次いでもらいます。SBIジャパンネクストならSBI証券、チャイエックスなら別の証券会社です。
PTSの特長は投資家の負担する手数料が安いことです。SBI証券はPTSでの売買に必要な手数料が、東京証券取引所に比べ5%ほど安いとPRしています。
PTSは、東証で取引が始まる午前9時より前や、取引が終わる午後3時より後にも売買できる時間帯があり、お昼休みもありません。SBIは夜間取引も可能で、夕方以降のニュースを材料にした売買もできます。
弱点は、証券会社からお金や株式を借りて売買する「信用取引」ができないことでしょう。東証に比べ取引参加者が少ないので、売買が成立する可能性が低くなることも否めません。
個人の売買を扱う証券会社の選択肢は限られています。短所が響いたのか、PTSの人気はいまひとつです。以前PTSを運営していた大和証券や松井証券などは撤退しました。
チャイエックスは、5月からヤフーのサイト上で株価情報を無料で見られるようにするなど知名度や利便性の向上に地道に取り組んでいます。
今後、PTSが日本でどれだけ存在感を高められるか注目しましょう。