証券会社のリポート 顧客向け相場動かすこと
2014/09/03 14:28
株価は毎日、いろいろな理由で動きます。国内外の景気動向や金融政策も影響しますが、個別の銘柄であれば、その企業の事業が今後どうなるかが重要です。企業の決算や画期的な新製品の発表などが相場を左右するのはもちろんですが、証券会社が出すリポートが、相場を動かすことも少なくありません。
証券会社には、特定の業界の実情や企業財務に詳しいアナリストという専門家がいます。アナリストは顧客向けに個別企業(銘柄)に関するリポートを作成して、株価の動きを投資判断の形で予測します。
代表的な例は「買い」「中立」「売り」の3段階表示です。買いは株価が上昇する可能性が高いことを、売りは逆に値下がりの可能性が高いことを示します。「中立」は文字通り、買いと売りの中間です。
投資判断は証券会社によって表現の仕方が異なり、例えば「オーバーウエート」や「ポジティブ」、「アウトパフォーム」という表現は、買いに相当します。
リポートではある時期までに到達すると見込む目標株価も提示します。仮にA社の株価が現在800円で目標株価が千円とすると、一定期間に株価が千円に到達するとみているということです。
投資判断を示すには調査が必要なので、リポートで分析する企業は限られます。トヨタ自動車のような著名な企業については多くのアナリストがリポートを出しています。新興市場でも個人投資家らに人気のミクシィやガンホー・オンライン・エンターテイメントなどは複数の証券会社が投資判断を示しています。
一方で東京証券取引所第1部でも取引が少ない銘柄は分析対象となっていないことがあります。
証券会社によっては、口座を開設すればその証券会社のリポートを読める場合があります。ただ、買いや売りとされた銘柄の株価もアナリストの予測通りに動くとは限りませんし、複数の証券会社が違う投資判断をしていることもあります。