なでしこ銘柄 女性活躍する企業を応援
2014/11/05 16:00
少子高齢化で働く人が減ると予想される中、企業などで活躍する女性を増やすことが国の大きな課題になっています。政府や東京証券取引所は2012年度から、女性の活用に積極的で収益力も高い企業を「なでしこ銘柄」に選定し、投資を促すことで経営を応援しようとしています。
13年度は、カルビーや東レ、日立製作所など、12年度よりも9社多い26社が選ばれました。日産自動車のように2年連続して選ばれた会社もあります。
なでしこ銘柄は、東証1部上場で、役員や管理職に占める女性の割合などを公表している企業から(1)女性の活躍を支援する仕組みや、登用実績があるか(2)育児休業取得を促すなど仕事と家庭を両立させる取り組みを進めているか(3)高い収益力があるか-という三つの基準で選ばれます。特に登用実績が重視されます。
14年度の銘柄は来年3月に発表されます。安倍政権が女性の活躍を重視していることから、これまで1業種1社に限られていた枠が、2社に広がります。また選ばれなかった企業でも、最近急速に女性活用を進めている場合は、エールを送る意味で名前を公表することになりました。
株式市場の関係者には女性活用と企業の収益力は直接関係がなく、なでしこ銘柄に選定されても企業価値の向上や株価の上昇にはつながらないとの声が根強くあります。しかし女性正社員の割合が高い企業の方が、低い企業よりも利益率が高い傾向にあるとの調査結果があり、女性活用と企業の業績は無関係ではなさそうです。
女性が働きやすい企業は、外国人や中途入社の人たちも積極的に受け入れようとする傾向にあるようです。結果として、優秀な人が集まりやすく、多様な価値観を海外市場の開拓や製品の開発に生かすことができると期待する投資家もいるでしょう。なでしこ銘柄はそういうことを考えるきっかけを与えてくれます。