米国の月次経済統計 世界の金融市場に影響
2015/01/14 16:26
円相場や株式相場は、どのような材料で動くのでしょうか。大きな変動要因の一つが米国で毎月発表されている経済指標です。それは米国が世界最大の経済大国であり、米経済の行方が世界各国の金融市場に影響を及ぼすからです。
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米国の経済指標で強い数字が出れば景気が良好ということなので通常はニューヨーク市場の株価が上がります。東京市場でも、米国に進出しているメーカーの売り上げが増えると予測され、株が買われるのが普通です。
ただ、米国の金融政策に対する思惑が絡むと、動きが複雑になります。
景気が強すぎるときは市場に流れるお金の量を減らして、バブルにならないようにしなければなりません。こうして金融引き締め観測が強まれば米国の株価は下がり、連動して日本の株価も下落することが多いようです。
それでは具体的な指標をみましょう。米国の月次統計で最も注目度が高いのは雇用統計です。農業以外で雇われている人がどれくらい増えたのかに加え、失業率の高低が売買の材料となります。
日本で外国為替証拠金取引(FX)をしている人たちは、米雇用統計が発表される時間の取引を「雇用統計祭り」と呼んで注目しています。発表直後に為替相場が激しく動くからです。
このほか、米商務省が発表する小売売上高も、多くの人が関心を寄せる統計です。米国内総生産(GDP)の過半を占めるのが個人消費で、その動向を示す代表的な指標だからです。
家具や家電などの販売に影響を及ぼす住宅関連の指標の内容も、要注意です。新築や中古の住宅販売件数や住宅着工件数などがあります。
さらに、米新車販売台数や米供給管理協会(ISM)の製造業景況指数、全米産業審議会(コンファレンス・ボード)の消費者信頼感指数なども材料視されます。関心があればいろいろと調べてみると面白いかもしれません。