株式交換 全株取得し完全子会社化
2015/01/21 16:10
企業買収のニュースで「株式交換」という言葉を聞いたことはないでしょうか。企業再編の手法の一つで、ある企業が別の企業の全株式を取得して子会社化する際に用いられます。最近では、イオンがダイエーを対象に実施しました。
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もう少し詳しくみてみましょう。買収する側は自社の株式や現金などを見返りに、完全子会社となる企業の株主から強制的に株式を受け取るのです。現金を渡すこともあるので株式交換という言葉に違和感があるかもしれません。こう呼ばれる理由は後に触れます。
子会社となる企業の形態は株式会社に限りますが、買収側は株式会社以外に、例えば西友や日本ケロッグのような「合同会社」でもOKです。
法律に基づく組織再編のやり方なので、決められた手続きを踏まなければいけません。まず両社は株式交換契約を結び、さらに買収する側と買収される側の株主総会の決議による承認が必要になります。株主への影響が少ないといった所定の条件を満たしていれば、決議による承認は免除されます。
承認後は株式交換契約で定めた内容に沿って、子会社となる企業の株主に対価が支払われます。例えば対価が株式の場合で、計算上親会社の1株に満たない端数しかもらえない株主には、現金が支払われます。株式交換に反対した株主の株も、現金で買い取ります。
以前の商法は子会社の株主に払われる対価を、親会社の株式に限っていました。しかし、2005年に制定された会社法で、個々の事情に合わせて株式のほかに、現金や社債、新株予約権などが認められるようになりました。
でも実際に企業が用いているのは、ほとんどが株式のようです。子会社となる企業の株主に株式を現金化する機会を提供するため、買い付け価格や買い付け期間を公表した上で株を買う株式公開買い付け(TOB)を実施した後に、株式交換へ進むこともあります。