証券取引所の課題 中国勢に追われる東証
2015/01/28 18:21
預金や貯金以外でお金を増やそうと考える人の多くが、株式投資を思い浮かべるのではないでしょうか。そんな人たちに株を売買する場所を提供しているのが証券取引所です。
関連ニュース
東証、午前終値は2万0139円 1年半ぶり大台回復、円安好感
東証、午前終値1万9854円 上げ幅一時200円超
東証小幅続落、終値は4円安 欧州政局に警戒感
最も知られているのは東京証券取引所で、市場1部、2部のほか、新興市場のマザーズとジャスダックもあり、上場企業の数は全部で3400を超えます。
さらに札幌、名古屋、福岡にも証券取引所があります。札幌ではアンビシャス、名古屋はセントレックス、福岡はQボードという地元新興企業株を売買できる市場も設け、地域経済の活性化を目指しています。
このうち、例えばアンビシャスへの上場で満たすべき基準をみると、北海道に関連がある企業、株主数100人以上などといった具合で取引所によって基準が違います。
午前に売買できる時間帯は各取引所とも9時~11時半で同じです。午後も取引開始時間は0時半で共通ですが、終了は東証だけが3時で、他は3時半となっています。
それぞれの証券取引所に上場している株は東証と同様に大手の証券会社やネット証券などを経由して売買できます。
以前の大阪証券取引所の現物株市場を統合した東証は上場企業の総株数に株価を乗じた時価総額が世界でも上位です。ただ経済成長の続く中国の取引所が急速に追い上げていて、安穏とはしていられない状況です。
東証を抱える日本取引所グループは今後、アローヘッドと呼ばれる売買システムも更新して競争力を高めたい考えです。
国内の他の取引所は、景気の低迷も背景に上場企業の減少に直面しています。名証のセントレックスには、多い時で30社を超える企業が上場していましたが、今は13社にまで減りました。
このため、福証が中国や韓国などの企業の上場誘致に動くといった具合に、各取引所は投資家が魅力を感じる市場にしようと懸命です。