大型上場 市場全体に影響、秋にも日本郵政
2015/03/04 17:25
大きな企業が株式市場に新規上場すると「大型上場」として投資家から注目されます。上場時点の時価総額が2千億円を超える場合を呼ぶことが多いようです。市場全体の資金の流れを動かすので、目が離せません。
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新たに上場した企業の規模を判断する際には、時価総額と、市場からの資金吸収額をみるといいでしょう。市場で初めてついた株価(初値)に、発行済みの株式数を掛けたのが上場時の時価総額です。
資金吸収額は、企業が新たに株式を発行したり、既に大株主が保有している株を売り出したりして、市場に出回るようになった株数だけを株価に乗じた金額で文字通り市場からどれだけ資金を吸収したのかを表します。
最近の大型上場としては昨年10月のリクルートホールディングスが代表的です。1960年創業ですが、ずっと上場していませんでした。上場時の時価総額は約1兆8千億円で、資金吸収額は約2千億円でした。
ことしは、秋にも日本郵政が上場の予定です。上場時の時価総額が約8兆8千億円だった98年のNTTドコモ以来の大型上場になるとみられています。
日本郵政グループでは子会社のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の2社も同時上場する予定です。
こうした大型上場は、株式投資に対する世の中の関心を高め、市場に資金を呼び込むことがあります。バブル期の87年に上場し、初値で計算した時価総額が約25兆円に達したNTTが好例です。
ただ、新たに上場する大企業の株を買うため、他の多くの銘柄が売られることもあるので、注意が必要です。
さらに業種ごとに投資資金の配分割合を決めている機関投資家は、資金が十分あっても大型上場銘柄を買って、同じ業種の株を売ってしまうことがあります。個別の株に投資している場合には、新聞の報道などに特に気を配りましょう。