為替相場と金融商品(上) 通貨の需要増えれば「価格」上昇

2015/06/03 15:29

 外国為替相場の変動は私たちの生活にさまざまな影響を与えます。最近は円安の影響で食料品の値上げが相次ぎました。為替相場とは何なのか、あらためて基本からみてみましょう。

 円高や円安、ドル高やドル安というと少々ややこしいと思われがちです。
 例えば、1個の価格が100円のハンバーガーを考えましょう。これが120円になれば高く、80円になれば安いと実感できます。為替相場も同じです。
 ハンバーガーを1ドルと印刷された紙に置き換えて考えると分かりやすいかもしれません。1枚100円だったこの紙が120円になれば高い。つまりドル高です。逆に80円になればドル安ということです。
 円とドルの関係で考えるなら、ドル高=円安、ドル安=円高とセットで覚えておけばいいでしょう。ほかの通貨も同様です。
 では、通貨の「価格」がどうして上がったり、下がったりするのでしょうか。企業や個人が他の国で物を買ったり、投資したりしようとすれば、その国のお金が必要になります。そして、その国のお金が欲しいと考える企業や人が多いほど「価格」が上がるのも一般的な商品と同じです。
 日本で景気が拡大したり、金利が上昇したりすると、投資対象として好まれるので円高の要因となります。ただ、他の国との相対的な力関係も重要な要素です。日本の経済成長率が高くても米国がもっと高ければ、ドルが買われることが多いでしょう。
 通貨を取引する市場は外国為替市場と呼びますが、株式を売買する取引所のような建物はなく、世界に広がるコンピューターのネットワーク上で売り買いされます。
 1日の取引は日付変更線に近いニュージーランドから始まり、オーストラリア、日本、英国、米国と順番に始まります。そのため土日を除いて、ほぼ一年中24時間取引されています。

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