為替相場と金融商品(下) FXは相場変化、金利で稼ぐ
2015/06/17 15:35
今回は外国為替証拠金取引(FX)をみていきましょう。FXは手持ち資金の最大25倍の運用ができると紹介しました。これが、金融商品の中でもFXのリスクが高いとされる理由でした。投資の際は仕組みを十分理解する必要があります。
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FXで期待できる利益は二つあります。一つは為替相場の変化で得られる為替差益。もう一つが通貨ペア(運用対象)となる二つの国の金利差で生じる「スワップポイント(金利差益)」です。
まず、為替差益を考えましょう。FXは外貨預金とは違い、外貨の売りからも取引を始められるのが特長です。これを米ドルでみます。
仮に1ドル=120円のときに、今後円高が進むと予想して1万ドルを売ると120万円が手に入ります。取引を終えるには1万ドルを買い戻す必要がありますが、円高が進み1ドル=100円になったときにドルを買えば100万円しかいらず、20万円が手元に残るのです。
次に金利差益です。これも米ドルと円で考えます。現在、米国の金利は日本より高いため、ドルを買えば金利差分が毎日利益として積み上がります。逆に日本より金利の低い国の通貨を買うと金利差分の損が重なっていきます。
FXで特に注意が必要なのは手持ち資金より大きい額の運用もできるため、多額の損をこうむることがあることです。
負担できない損を投資家が抱えるのを極力避けるため、含み損が証拠金の一定の割合以上になると取引を強制終了させるロスカットという仕組みがあります。
ただ取引業者によって基準が違うので、最初に確認するとともに、損が膨らむ前に自ら取引をやめることが大事です。
実際に取引を始めるにはFXの口座を開かなければなりません。業者を選ぶ際は金融庁のホームページで登録業者かどうか確認しましょう。その上で取り扱っている通貨の種類や手数料、必要な証拠金額などを調べて、自分にあった業者を選びましょう。