安全資産 価値損なわれる恐れ少ない
2015/09/30 15:15
投資家がリスク回避姿勢を強めて安全資産が買われた-。新聞やテレビでこんな話を見聞きしたことはありませんか。今回は「安全資産」を見てみましょう。
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安全資産と言っても、持っていれば損をしない資産というわけではありません。その時々の環境を踏まえて多くの投資家が「これなら価値が損なわれる恐れが少ない」と考える資産です。
従って、ある時は安全資産とみなされていても、評価が変わることがあります。
安全資産の例をいくつか見ましょう。まず日本や米国、ドイツなどの国債です。国債の多くは、保有していれば決まった額の利子が得られます。
国債の保有者に元利金を支払えなくなるデフォルト(債務不履行)に陥る国がないわけではありませんが、先進国のデフォルトの可能性は極めて低いとされます。
世界経済への不安が高まると、株式などを売り国債を買う投資家が増えるのは、このためです。
次に日本の通貨である円です。日本は、経済や政治などのさまざまな面で安定している上、多くのお金を外国に貸している世界最大の「債権国」なので、通貨価値が急落しにくいとみられているのです。
流通量が多く、売買しやすいことも重要です。通貨ではスイス・フランも安全資産とされます。
「安全資産と言えば金だろう」というイメージの人もいるでしょう。
金は、そのもの自体が価値を持っていて、劣化もしません。各国の通貨の価値を裏付ける資産として用いられてきた歴史もあります。
欧州の金融不安が拡大した2011年ごろには世界的に金を買う動きが強まり注目されました。しかし、投資家の不安が静まると売られるので、値動きが激しくなる局面も目立ちます。
世界の投資家が不安を感じた時に、どんな資産にお金が流れるかを把握しておけば、状況分析に役立つでしょう。