株式投資のタイミング 二つの経済指標を参考に

2016/04/20 14:39

神戸新聞NEXT

 今回は株式投資のタイミングを見ていきたいと思います。アベノミクス相場のように、株価上昇が続いた局面では株式投資ブームが起こります。しかし、ブームの末期に買うと高値づかみをして損をすることになりかねません。ならば、いつ買えば良いのでしょうか。 関連ニュース 県内上場80社 21日から3月期決算発表 日銀、物価目標達成へ政策進める 支店長会議で総裁が強調 働き手不足、県内でも 廃業、収益悪化…企業悲鳴

 まずは先人の知恵から学びましょう。林学博士で日本各地の公園を設計し、株式投資などで財をなした本多静六(せいろく)は著書で「好景気時には勤倹貯蓄を、不景気時には思い切った投資をお勧めする」との趣旨の言葉を残しています。
 株価は景気が良い時に上がりやすく、逆に不景気の時は値下がりする傾向にあります。好景気時には給与などの収入が増えますが、そこでは使わずにためておき、不景気で株が安くなった時が買い時だと教えています。
 では、景気が良いか悪いか判断するには、どうしたら良いでしょう。内閣府が毎月公表している二つの経済指標が参考になります。
 一つは景気動向指数で、複数の経済指標を組み合わせて指数にしたものです。もう一つは商店主ら景気に敏感な人に実感を聞いた景気ウオッチャー調査です。株価は投資家が景気動向などを先読みして動くので、いずれの指標も先行指数や先行き判断指数を見ると、参考になると思います。
 また米国の景気が悪い時は日本の株価も下がりやすくなります。雇用統計など米国の経済指標も、売買時期を判断する材料に使えるでしょう。
 相場には「頭と尻尾はくれてやれ」という格言があります。株は最安値で買い、最高値で売るのが最良ですが、相場が上昇している時に、そこが最高値かどうかは誰にも分かりません。ある程度の利益が出れば満足するよう戒めているとも言えます。
 「3割高下に向かえ」という格言もあり、買った時より3割利益が出たら売るよう勧めています。一定程度値上がりしたら売ると決めるのも一つの方法です。

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