株価の変動 業績や景気、需給関係で決まる

2016/05/18 14:51

神戸新聞NEXT

 株価はどのようにして決まるのでしょうか。他の商品と同じく需要と供給の関係に左右されます。欲しい人が多ければ値上がりし、逆に少なければ値下がりします。

 株価の変動させる要因として最も注目されるのは、その企業の業績です。赤字から黒字に転換する場合、株価が大きく上昇することも少なくありません。人気がなくて安かったものが、一転して注目されるからです。
 逆に、収益が堅調だった企業が業績予想を下方修正すれば、売られやすくなります。好調な業績が見込まれれば、株主への配当も増やすでしょうし、逆に赤字に転落すれば、無配もありえます。
 企業が自社株を買うのは株価の上昇要因です。市場に出回る株が少なくなって希少価値が高まるからです。逆に、公募増資は下落要因です。出回る株数が多くなって需給がだぶつくためです。
 次は株価に影響を及ぼす外部環境について見てみましょう。まずは景気です。上場企業は海外に進出している例も多く、業績は国内のみならず米国や中国など海外の景気にも左右されます。国内だけで展開している企業でも、海外からの観光客の増減などが業績に影響する場合があります。
 外国為替相場も株価の大きな変動要因です。円高ドル安になれば、自動車など輸出関連企業は海外への輸出に伴う利益が減るほか、海外で現地生産して得られた利益も円換算すると目減りするので株価を押し下げます。一方、製品や原材料を輸入する企業にとって円高は、コスト減少につながるメリットがあります。
 最後は金利について見ていきましょう。日銀がマイナス金利政策を導入し、銀行の株価が急激に下がりました。企業や個人への貸出金利が低下し、利益が減るとみられたためです。保険会社も資金の運用が難しくなると考えられ株価が値下がりしました。
 一方、借入金が多い企業ならば金利の負担軽減につながり、株価の上昇要因となります。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ