ストップ高・ストップ安 異常な株価の動きは制限

2016/05/25 14:34

神戸新聞NEXT

 すでに見ていただいたように、株価が動く理由はシンプルです。買いが集まれば上がり、売りが増えると下がります。

 とはいえ、100円で買った株が1日で1万円に値上がりしたり、500円の株が50円にまで値下がりしたりすることはありません。急激すぎる値上がりや値下がりを防ぐため、制限があるからです。
 業績の修正や経営の破綻につながるような大きな材料が出たとき、株価が急変して投資家が不利益を被るのを避けるため、証券取引所は1日に動く値幅を決めています。株価が制限いっぱいまで上がった状態を「ストップ高」、制限いっぱいまで下がった状態を「ストップ安」といいます。
 値幅は前日の終値を基準に決められます。東証では、例えばある企業の前日終値が1200円の場合、値幅制限は300円なので、株価は900円から1500円の間で動きます。ストップ高は1500円、ストップ安は900円となります。海外では値幅制限を採用していない取引所もあるようです。
 値幅制限には投資家の過熱感を和らげたり、パニック売りなど正常な判断力が失われた取引を抑制したりする効果がある、といわれています。
 東証では市場1部や2部よりも、ジャスダックやマザーズといった新興市場の方がストップ高やストップ安になりやすい傾向があるようです。
 ストップ高やストップ安のまま売買が成立しないで取引が終わってしまうこともあります。この場合は「比例配分」というルールに従って、買い(または売り)に注文を入れていた人に抽選で株を割り当てます。抽選の基準は証券会社によって異なります。
 また、ストップ高もしくはストップ安が3営業日続いた場合は、値幅制限は通常の2倍に拡大されます。
 ストップ高やストップ安になるのは珍しいことではありません。落ち着いた売買を心掛けたいですね。

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