日経平均先物 株価と組み合わせ、リスク限定
2016/06/29 14:46
神戸新聞NEXT
今回は代表的な株価指数の日経平均株価(225種)から派生した金融商品(デリバティブ)である日経平均先物(日経225先物)を取り上げます。日経平均株価と日経平均先物の取引を組み合わせることで、将来の価格変動リスクを減らし、損失を限定できることから、多くの銘柄を扱う機関投資家を中心に活発に取引されています。
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先物取引とは、数カ月先など将来の一定の期日に、あらかじめ取り決めた価格で資産を売り買いする約束をすることを指します。例えば現在の日経平均株価が1万円で、1カ月後に株価が下がると予想して日経平均先物を売る取引をした場合、1カ月後に実際の価格が9500円に下がれば差額500円分の利益を得られます。逆に1万500円に上がれば500円分の損失が出ます。実際の取引単位は平均株価の約千倍と考えていいでしょう。
先物取引は期日が来れば自動的に決済されますが、それまではいつでも売買できます。このように、約束した価格と実際に売買した時点の価格の差額だけを受け渡す方法を差金決済といいます。
通常の株取引では、1万円の株式を買う場合には同額の資金が必要です。しかし、先物取引では証拠金と呼ばれる担保を差し入れれば、その数十倍の金額の取引を行えます。これをてこの原理を意味するレバレッジ効果と言います。先物取引にはリスクを減らす目的だけでなく、レバレッジを利用して少ない元手で多額のもうけを狙う投資家が多数参加しています。
日経平均先物の価格は市場の需給関係で決まりますが、理論上の価格を平均株価から割り出すことができます。理論価格より先物価格が安ければ平均株価の構成銘柄を売って先物を買い、高ければ逆の売買をすることを裁定取引といいます。裁定取引などにより現物株の価格が先物の影響を受けて市場の波乱要因となることがあり、個人投資家にも要注意です。