値動きの基調、過熱度をチェック
2016/07/20 14:21
神戸新聞NEXT
株価の上昇や下落の傾向をつかむにはどんな方法があるのでしょうか。今回は値動きの基調をチェックする上で役立つ「移動平均線」と呼ばれるグラフを紹介します。
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移動平均線は、ある一定期間の株価を平均した数値をつなげた折れ線グラフです。5日移動平均線なら、当日までの5営業日の株価終値を足して5で割り、次の日はその時点での直近5日間について平均するという計算を重ねて作成します。
株価が上昇と下落を繰り返すとき、移動平均線を見れば基調を判断しやすくなり、一時的な変動に惑わされずに相場の流れを把握できます。短期の傾向を捉える5日線に加え、25日間を平均した25日線や、さらに長期の75日線などが市場関係者に好まれています。
ある時点の株価が移動平均線からどの程度離れているかを示す「乖離(かいり)率」も重要です。株価が連日急上昇しても、移動平均線は少しずつしか上がらないので差が生じます。ここに着目し「25日線からの乖離率が10%を超えたのでそろそろ売りが優勢になりそうだ」といった形で、相場の過熱感の確認に活用できます。
このほか複数の線が交差する瞬間を重視する分析法があります。値上がり傾向になるとき、まず短期の移動平均線が上向きになり、次いで長期線が回復します。その際、短期線が長期線を下から上に突き抜ければ「ゴールデンクロス」が成立し、上昇相場入りの目印になると言われます。逆は「デッドクロス」です。
日経平均株価では昨年秋の上昇期の初めに5日線が25日線を上回るゴールデンクロスがありました。半面、下落期にはデッドクロスが観察されています。平均株価自体の日々の値動きを示す際には「ローソク足」がよく使われますが、これは次回に説明します。
なおゴールデンクロスがあっても必ず上昇相場が始まるとは限りません。あくまでも参考指標の一つとして活用し、過信しないことが大切です。