マザーズとジャスダック 新興企業多く高い変動率

2016/09/07 14:37

 今回は東京証券取引所のジャスダックとマザーズを取り上げます。東証には、これら2市場のほか、市場第1部、市場第2部があります。いずれも上場審査があるため、投資先の企業がどの市場に上場しているかで、ある程度の企業の特性はつかめます。 関連ニュース 糸井重里氏の「ほぼ日」が上場 買い殺到で初値付かず シナジーマーケティング社長に田代氏 谷井氏は退任 「ほぼ日」初値は5360円 売り出し価格の2・2倍

 ジャスダックは1963年に日本証券業協会の「店頭市場」として発足しました。その後、大阪証券取引所に移管され、新興市場のヘラクレスやNEOと統合しました。2013年に東証と大証が経営統合し、現在は東証の管理下に移されました。信頼性、革新性、地域・国際性を市場のコンセプトとして打ち出しています。
 事業規模や実績のある728社(7月末現在)が上場する「スタンダード市場」と、成長性重視の企業44社の「グロース市場」に分類されます。日本マクドナルドホールディングス、USEN、大塚家具などが上場する「スタンダード市場」は急成長を望みにくい銘柄も多いですが、業績を反映した株価形成が期待できます。
 一方、マザーズは東証が99年に設立した新興市場です。ミクシィ、サマンサタバサジャパンリミテッド、そーせいグループなど234社が上場しています。将来東証1部、2部への指定替えを目指している企業も少なくありません。
 株価の変動率は大きいのですが、その分上場市場が昇格すれば、投資家の注目を集める銘柄に成長するかもしれません。
 先物取引などデリバティブ(金融派生商品)に特化した大阪取引所は、今年7月に国内初の新興市場を対象にした「東証マザーズ指数先物」の取り扱いを始め、投資家の注目を集めました。
 ただ新興市場の傾向として、流動性の低さも注意が必要です。株価の大幅な上昇を期待して人気となっている銘柄がある半面、銘柄によっては売買が滞るリスクもあります。

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