世界の取引所 市場活性化へサービス競う
2016/09/14 14:27
神戸新聞NEXT
経済のグローバル化やインターネットの発達で、海外の証券取引所での投資がより身近になりつつあります。各取引所は国内外から企業や投資家を呼び込んで市場を活性化させようと、規模拡大やサービス拡充を競っています。世界の主な取引所や再編の動きを見てみましょう。
関連ニュース
NY株、もみ合い
NY株続落、31ドル安 2カ月ぶり安値
NY株、反発
現物株では世界最大の米ニューヨーク証券取引所は、上場している米国企業の時価総額が3月末時点で約18.2兆ドル(約1850兆円)に上ります。トヨタ自動車など日本の大手企業も上場し、海外からの投資も活発です。上場審査が厳しいとされ、企業側には経営の健全さをアピールする狙いもあります。
欧州を代表するのが英国のロンドン証券取引所(時価総額約3.6兆ドル)と、ドイツ取引所(約1.7兆ドル)が運営するフランクフルト証券取引所で、欧州経済の推移を知る上でそれぞれの株価指数の値動きは、日々注目の的です。
昨今の取引所は電子取引への対応や先物などデリバティブ(金融派生商品)の開発で継続的な投資を必要としています。このため経営基盤を強化しようと、合併や統合が盛んに行われています。
米インターコンチネンタル取引所は2013年にニューヨーク証券取引所を傘下に収めました。ロンドン証券取引所とドイツ取引所は今年3月に合併することで合意しています。
国内でも東京証券取引所と大阪証券取引所が合併して、日本取引所グループが13年に発足しました。時価総額は約4.6兆ドルです。国境を越えた再編で先行する海外勢に対抗できるかは、投資家のニーズに合った商品開発が課題といわれています。貴金属や穀物の先物取引などを含めた総合取引所に発展させるべきだとの意見もあります。
アジアでは中国の経済成長を背景に、香港取引所(約3兆ドル)も注目されます。上海証券取引所(約3.9兆ドル)との間で株式を相互に取引できるようにしています。