中央銀 金融政策で物価安定狙う
2016/10/12 15:50
神戸新聞NEXT
中央銀行は、その国の金融システムの中核を担う特別な銀行のことです。日本では日銀、米国では米連邦準備制度理事会(FRB)、ユーロ圏では欧州中央銀行(ECB)が当たります。
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主な機能は三つです。一つは紙幣を発行すること。二つ目に民間銀行など金融機関が資金を預ける口座を持つこと。この口座を使って民間から預金を受け入れたり、貸し出したりするため「銀行の銀行」とも呼ばれます。金融システム不安を防ぐための救済資金を出す「最後の貸し手」になることもあります。三つ目は税金など政府のお金も管理することです。
大きな使命は経済の持続的な発展のため物価を安定させることです。主要中銀は物価2%程度の上昇を目指しており、日銀も2%を目標に金融政策を実施しています。
金融政策は金利を上げたり下げたりする方法や、中銀と民間金融機関の間で国債などの売買を通じて世の中に出回るお金の量や金利を調節する方法があります。
中銀が民間銀行から国債を買えば、出回るお金の量が増え金利は下がります。企業や個人がお金を借りやすくなって景気が刺激され、物価は上がりやすくなります。逆に国債を売ると、出回るお金が減って金利は上がり、景気が冷えて物価は下落しやすくなります。景気刺激策を金融緩和、逆に景気過熱の抑制策を金融引き締めと言います。
日銀は2013年4月、デフレから脱却するために大量の国債を買って市場にお金を供給する大規模な金融緩和を実施しました。今年9月には、政策目標をお金の「量」から「金利」へと転換しました。買える国債がなくなる恐れがあるためですが、緩和策は消費者物価の上昇率が2%を超えるまで続ける計画です。
一方、FRBは15年12月に主要政策金利を事実上ゼロから年0.25~0.5%に引き上げました。年内にも追加利上げを行う可能性があり、日銀とは反対の政策運営となっています。