REIT 不動産利益を投資家に分配

2016/11/09 14:45

 日銀のマイナス金利政策導入で一時、株式市場が活気づきました。その際、ある「商品」に注目が集まりました。それは「REIT(不動産投資信託)」です。REITには国債などと比べ高い利回りが期待できると感じた投資家が多かったためです。 関連ニュース ファンドラップ 専門家任せ、高額な手数料 新規不動産融資が過去最大に 1~3月期、全体の3割弱 不動産融資15%増で最高に 16年、大規模緩和で

 バブル経済を支えた土地神話の崩壊などで、土地を所有することから利用するという概念が生まれました。法改正を経て、株式などが中心だった投資信託の運用対象に不動産が組み込まれ、REITが誕生しました。もとは米国で生まれたもので、日本ではJリートとも言います。
 REITの仕組みは投資家から資金を集めて不動産を保有し、そこから得られる賃貸料や売却益を投資家に分配するというものです。基本的には株式売買と似ています。詳しく見てみましょう。
 投資家は不動産投資法人という法人に投資をし、この法人は投資証券を発行します。株式会社が株券を発行するのと同じです。株券の所有者は株主ですが、REITでは投資主です。
 投資法人は集めた資金でオフィスビルやマンション、商業施設などを購入。購入した施設を利用して生まれた収益を投資家に分配します。株式に対応する用語は投資口、配当金に対応するのは分配金です。
 REITは株式同様に証券取引所に上場されていて、証券会社を通じ売買されます。価格も同じように投資家の需要と供給によって決まります。
 REITのメリットの一つは、個人では購入できない商業施設などに比較的少額の資金で投資できる点です。また、株式よりも比較的高めの分配金を得ることができるとも言われています。
 マイナス金利政策下で、REIT市場には多くの資金が流入しました。ただ日銀の政策展開や不動産市況の動向によっては、REIT市場に影響が出る可能性があることには注意も必要です。

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