石油関連銘柄 OPECの動向が影響

2017/03/08 14:30

 私たちの生活に大きな影響を与えるエネルギー関連株について見てみましょう。一口にエネルギー関連株と言っても、電力やガス、石油や石炭だけでなく、水素燃料や太陽光発電など種類も扱う企業もさまざまです。今回は石油元売り企業を中心とした石油関連株を取り上げます。 関連ニュース 2016年の新興国景気 資源安でマイナス成長の国も 太陽電池や水素エネルギー…最新の脱炭素技術を解説 神戸で2月14日、カーボンニュートラルシンポ ワケトンも脱炭素加速へ! 水素で走るごみ収集車さぁ始動 神戸市、兵庫区と中央区で実証実験

 石油業界はメジャーといわれる世界的な大企業を筆頭にして、グローバルで市場規模が大きいのが特徴です。業界に最も影響が大きいのは石油輸出国機構(OPEC)の動向です。OPECは原油価格の安定と石油産出国の利益を守ることを目的につくられた国際組織で、サウジアラビアやイランをはじめとする中東やアフリカなどの13カ国が加盟しています。原油価格が下落する局面では減産して供給を絞るなど、生産調整をします。
 OPECは昨年12月、ロシアなど非加盟国と15年ぶりとなる原油の協調減産を決めました。この決定を受け原油価格低迷の影響を受けていた石油関連株は上昇しました。
 OPECの動向以外にも株価に影響を与える要因はあります。石油産業は国家的な産業と位置づけられていましたが、規制緩和が進み、競争が激しくなり業界再編が行われました。元売り業界首位のJXホールディングスと3位の東燃ゼネラル石油が統合予定であるほか、業界2位の出光興産が5位の昭和シェル石油に経営統合の提案をしましたが、出光創業家側が反対しており先行きは不透明です。国内では、人口減やエネルギーの多様化により、石油製品需要の減少という問題にも直面しています。
 グローバルな業界のため、世界的に議論が進む環境保護への対応や、地政学リスクなども関係企業の株価に影響を与えます。また米国で生産が進むシェールガスは、トランプ大統領がエネルギー事業の規制緩和を掲げているため開発が活発化する見通しで、今後の動向が注目されそうです。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ